太陽光の容量は、kWで表す出力の大きさ
太陽光の容量は、一度にどれだけの電気を出せるかを表す出力の大きさで、単位はkWです。1年に発電する量(kWh)とは別の数字で、見積りや補助の申請ではこのkWが基準になります。
「5kWの太陽光」という言い方の5kWが容量です。同じ5kWでも、晴れの多い月と少ない月では1か月に発電する量が変わります。
容量は設備の組み合わせで決まります。東京都の助成金の手引きは、パネル(太陽電池モジュール)1枚の公称最大出力に使う枚数を掛けた値と、パワーコンディショナ(パネルの電気を家で使える電気に変える機器)の定格出力を比べ、小さい方を発電出力とすると定めています。

パネルとパワコンの小さい方が容量になる
国の申請書の記載例では、パネルの合計出力とパワーコンディショナの出力のうち小さい方を発電出力とします。パワコンが複数台なら、系列ごとに小さい方を求めて足します。
パワコン5.5
パワコン4.0
パワコン5.0
パネルの合計が4.5kWでもパワコンが4.0kWなら、その系列の容量は4.0kWです。申請書の記載例は、発電出力を小数第1位まで(第2位は切り捨て)書くよう求めています。
資源エネルギー庁のよくある質問は、パワコンの出力よりパネルの合計出力を大きくすることを「過積載」と呼んでいます。同庁は、過積載や、蓄電池を併設して夕方以降に放電・逆潮流することは、再生可能エネルギーの利用の拡大や系統安定化に資する面があるとしたうえで、認定の後に増やす場合に制限を設けています。
10kW以上になると、制度の区分が変わる
国の固定価格買取制度(FIT)では、10kW未満と10kW以上で買取の価格・期間・要件が変わります。国の委員会は10kW未満を住宅用として扱い、10kW以上50kW未満には自家消費の要件が付きます。
資源エネルギー庁のガイドラインは、10kW以上50kW未満の設備には、2020年度以降の認定で自家消費型の地域活用要件を求めるとしています。発電した電気の少なくとも30%を自家消費(または特定供給)することと、停電時に自立して発電でき、給電用コンセントを災害時に使えることの両方です。
同じガイドラインは、近くに10kW未満の設備を複数並べ、意図的に10kW未満に分けて要件を逃れる疑いのある案件があったとしています。このため2022年度から、10kW未満で地上設置を選んだ案件には建物表題登記などの提出を求めています。
東京都の助成は、容量で単価が変わる
東京都の既存住宅向けの太陽光の助成は、3.75kW以下が1kWあたり15万円(上限45万円)、3.75kWを超えると12万円です。容量は国と同じく、パネルとパワコンの小さい方で数えます。
3.75kW以下の単価15万円で計算すると、3kWで上限の45万円に届きます。3kWから3.75kWまでは、助成額が45万円のまま変わりません。
都の助成は、既存のシステムの一部として増設されたものではないことが要件で、手引きは既存系列にモジュールを追加して同一系列の出力を増強する行為を助成対象外としています。既存システムの系列に接続しない独立した系列一式を新設する場合(独立系統)や、既存の太陽光発電システムをすべて撤去して新たに系列一式を設置する場合(更新)は、既存システムの一部増設に当たらないと手引きは説明しています。ただし、撤去する設備が過去に都の助成金を受けたもので、設置日から17年の処分制限期間内に処分する場合は、事前に処分承認申請が必要で、助成金の一部を返納する必要があります。また、都の助成金額と国・区市町村の重複する補助金の額の合計は、助成対象経費までです。区市町村の上乗せは、東京都の補助金の記事と東京都のページにまとめています。
容量が同じでも、発電量は月で変わる
環境省の調査では、太陽光を使う世帯の1世帯あたりの月の発電量は8月が619kWhで最も多く、12月が347kWhで最も少なくなっています。国の委員会の想定から計算すると、1kWあたり年約1,200kWhです。
環境省の調査は、発電量と売電量の季節の変わり方は似ていて、売電量は5月に最も多く、1月と2月に最も少ないとしています。同じ調査で、太陽光を使う世帯は全国の6.3%、戸建て全体では11.7%でした。
国の調達価格等算定委員会は、住宅用太陽光の設備利用率(1年中最大の出力で動いた場合に対する実際の発電の割合)を13.7%と見込んでいます。1年の8,760時間に掛けると、1kWあたり年約1,200kWhです。向きや角度で日射量がどう変わるかは、太陽光シミュレーションの記事で図にしています。
自分の家の容量を考える手順
容量は、家で使う電気の量、1kWあたりの発電量、家で使う割合の3つから考え始めます。そのうえで屋根の広さ、10kWの境目、補助の単価の区分を見積りで確かめます。
関東甲信の1世帯あたり年3,600kWh(住宅の建て方を問わない世帯当たりの平均・令和5年度)
年約1,200kWh(国の想定の設備利用率13.7%から計算)
国の想定では売る割合が70.0%、家で使うのは残りの3割
①を②で割ると、関東甲信の平均的な世帯が1年に使う量と同じだけ発電する容量は、約3kW分になります(編集部の計算)。ただし①は住宅の建て方を問わない世帯当たりの平均で、戸建てや家族の人数、オール電化かどうかで大きく変わります。
③のとおり、国の想定では発電した電気の7割は売る前提です。容量を大きくすると売る分が増えるため、売電単価と自家消費の価値の差は蓄電池なしの記事、1kWあたりの費用は価格の記事で確かめてください。
見積りを受け取ったら、パネルの枚数と1枚の出力、パワコンの出力、申請する発電出力の3つがそろって書かれているかを見ます。後から蓄電池を足すときの手続きは蓄電池の後付けの記事、元が取れるまでの年数は元が取れるかの記事にまとめています。

よくある質問
- Q. 太陽光の容量が10kW以上になると、何が変わりますか
- 資源エネルギー庁の公表では、10kW未満は2026年度の認定で4年目まで24円、5〜10年目が8.3円で、買取期間は10年です。10kW以上(屋根設置)は5年目まで19円、6〜20年目が8.3円で、期間は20年になります。10kW以上50kW未満の新しいFIT認定には、発電した電気の30%以上を自家消費することなどの地域活用要件が付きます。
- Q. パワーコンディショナの出力がパネルの合計より小さいと、容量はどうなりますか
- 国の申請書の記載例では、パネルの合計出力とパワーコンディショナの出力のうち、小さい方を発電出力として申請します。パネルの合計がパワコンより大きい組み合わせを、資源エネルギー庁は「過積載」と呼んでいます。見積りでは、パネルの合計とパワコンの出力の両方と、申請する発電出力を確かめてください。
- Q. 後からパネルを増やすと、買取価格は変わりますか
- 資源エネルギー庁のよくある質問では、10kW未満の太陽光発電設備の出力増加であって、変更後も10kW未満の設備である場合は、調達価格の変更はないとしています。ただし同庁の整理表は、運転開始後に認定出力を10kW未満から10kW以上へ増やす変更認定は一律に認めないとしています。10kW未満の設備に自家発電設備等を新たに併設してダブル発電に変わる場合など、区分が変わる場合は、今の調達価格と同じ年度の、変更後の区分の調達価格に見直されます。出力を変えるときは、国への変更の手続きが要ります。東京都の太陽光の助成は、既存の系列にパネルを足して出力を増やす増設は対象外です。既存の系列に接続しない独立した系列一式の新設や、すべて撤去して一式を取り替える場合は、既存システムの一部増設に当たらないと手引きは説明しています。
この記事の用語
- kW
- 発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
- kWh
- 電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
- FIT
- 太陽光などでつくった電気を、国が決めた価格で一定期間(住宅用は10年)電力会社が買い取る仕組み。 用語集で見る
- 自家消費
- 発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
- 逆潮流
- 自宅から電力会社側へ電気を送ること。余った電気を売る「余剰売電」はこれにあたる。 用語集で見る
- パワーコンディショナ
- 太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
- 売電
- 発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る
出典
| 発行元 | ページ名 | 確認日 |
|---|---|---|
| 資源エネルギー庁 | 様式第2 10kW未満の太陽光発電事業計画認定申請書(記載例・PDF) | 2026年10月8日 |
| 資源エネルギー庁 | よくある質問|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー | 2026年10月8日 |
| 資源エネルギー庁 | 買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー | 2026年10月8日 |
| 資源エネルギー庁 | 事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)(PDF) | 2026年10月8日 |
| 資源エネルギー庁 | 調達価格/基準価格が変更される事業計画の変更整理表(PDF) | 2026年10月8日 |
| 調達価格等算定委員会(経済産業省) | 令和8年度以降の調達価格等に関する意見(令和8年2月5日) | 2026年10月8日 |
| クール・ネット東京(東京都環境公社) | 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 | 2026年10月8日 |
| クール・ネット東京(東京都環境公社) | 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 助成金の手引き(PDF) | 2026年10月8日 |
| 環境省 | 太陽光発電システムについて|家庭部門のCO2排出実態統計調査 | 2026年10月8日 |
| 環境省 | 家庭でのエネルギー消費量について|家庭部門のCO2排出実態統計調査 | 2026年10月8日 |
| 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA) | 設置までの流れ(住宅用システム)①自己所有の場合 | 2026年10月8日 |
