太陽光は1kWあたり約29万円、蓄電池は1kWhあたり17〜22万円程度
国の資料では、住宅用太陽光は2025年設置の新築平均で1kWあたり28.9万円です。家庭用蓄電池は工事費込みで1kWhあたり17〜22万円程度が目安で、容量や機種で幅があります。
太陽光は発電できる大きさ(kW)あたり、蓄電池はためられる量(kWh)あたりで価格を見ます。総額は設備の大きさで変わるため、見積りを比べるときも単価に直すのが近道です。
太陽光の数字は、国の委員会が実際の設置データを集めて出した平均です。蓄電池の17〜22万円程度は、経済産業省の検討会の資料にある事業者への聞き取り結果(補助事業以外で導入する場合、設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度)を編集部が足した目安です。
図2は単価をかけただけの計算です。実際の価格は屋根の形、足場の有無、配線の長さなどで変わり、この目安より高くも安くもなります。
太陽光の価格は下がってきたか
住宅用太陽光の1kWあたりの費用は、2012年の46.5万円から2021年の27.5万円まで下がりました。その後は横ばいからやや上がり、2025年は29.0万円です。
委員会の意見書は、住宅用太陽光の費用は新築・既築とも下がる傾向にあったものの、2023年度以降はやや上がっていると書いています。新築の2025年設置の平均28.9万円は、2024年設置より0.2万円、2023年設置より0.5万円高い値です。
「年々安くなるから待つほど得」とは、ここ数年の数字からは言えません。一方で、10年あまり前と比べれば4割近く下がった水準にあります。
今住んでいる家に後から載せる既築は、2025年設置の平均で新築より1kWあたり1.2万円高くなっています。既築の家で見積りを比べるときは、新築の28.9万円ではなく既築の30.1万円を目安にします。
費用の内訳を知ると見積りが読める
新築の2025年設置の平均28.9万円/kWのうち、太陽光パネルが約47%、工事費が約29%を占めます。見積りを受け取ったら、同じ項目に分けて比べます。

内訳を見ると、パネルの本体だけで価格が決まるわけではないと分かります。パワーコンディショナ(直流の電気を家で使える交流に変える機器)と架台、そして工事費を合わせると、半分を超えます。
見積りが「一式」とだけ書かれていると、どこが高いのか比べられません。パネル・パワコン・架台・工事費に分けて書いてもらうと、図5と並べて確かめられます。
補助事業の外で買うときの目安は17〜22万円程度
検討会が事業者に聞き取った結果では、補助事業以外で買う場合、設備費は1kWhあたり15〜20万円、工事費は2万円程度が標準的な水準です。足すと工事費込みで17〜22万円程度です。
同じ家庭用蓄電池でも、補助金に申請した案件の価格と、そうでない案件の価格には開きがあります。検討会の資料は、補助金を使う事業者は補助の上限に合わせて申請するため、推計値の程度に収まると思われる、という聞き取り結果も載せています。
工事費込みの見積りを1kWhあたりに直して比べるなら、補助事業以外の目安は、設備費15〜20万円に工事費2万円程度を足した17〜22万円程度(編集部の計算)です。これを大きく超えるときは、工事の範囲に何が含まれるかを内訳で確かめます。国や都県の補助金は国の補助金の記事と補助金の一覧で確かめられます。
蓄電池の価格が変わる条件
国の資料では、工事費込みの1kWhあたりの価格は、容量が小さいほど割高になります。同じ容量でも、停電のときの電気の送り方や機器のつくりで価格が変わります。
検討会の資料は、1kWhあたりのシステム価格は5kWhを境に大きく下がり、1kWhあたりの工事費も容量が大きくなるにつれて下がる傾向にあるとしています。ただし設備だけで見ると5〜10kWhは10.6万円、10kWh以上は10.7万円でほぼ同じで、大きいほど設備が必ず安くなるわけではありません。工事費込みでは、容量が大きいほど1kWhあたりが下がります。
編集部が施工会社に聞き取ったところ、補助事業以外で買う場合も、容量が小さいほど1kWhあたりが割高になり、大きいほど割安になるとの説明でした(営業上の説明で、保証値ではありません)。容量の違う見積りを1kWhあたりで並べるときは、この差を頭に置いて比べます。
編集部が施工会社に聞き取ったところ、同じ容量でも、次の違いで価格が変わります(営業上の説明で、保証値ではありません)。
- 停電のときに家全体へ電気を送るか(全負荷型)、決めた部屋・回路だけに送るか(特定負荷型)
- 蓄電池専用の変換機器を持つか(単機能型)、太陽光と蓄電池の変換機器を1台にまとめるか(ハイブリッド型)
- 変換機器(パワーコンディショナ)の定格出力(一度に出せる電気の大きさ)




見積りを比べるときは、容量だけでなく、この3点がそろっているかを確かめてから1kWhあたりの価格を並べます。そろっていない見積りどうしでは、単価の差がそのまま割高・割安を表すとは限りません。
補助事業のデータで見る蓄電池の価格の推移
補助事業に申請された案件の平均は、1kWhあたり2019年度18.7万円、2022年度13.9万円、2023年度12.1万円です。導入価格14.1万円/kWh以下が要件の事業で、市場全体の相場より低めです。国の2030年目標は7万円です。
2023年度の12.1万円は、令和5年度の経済産業省・環境省のZEH補助事業などに申請された案件のデータをもとにした、検討会の資料(三菱総合研究所の分析)の値です。これらの補助事業には導入価格が1kWhあたり14.1万円以下という要件があるため、今の見積りの目安には17〜22万円程度(工事費込み)を使います。目標価格の7万円は国が普及のために置いた目安で、いつ届くかを示す数字ではありません。
検討会の資料では、2023年度の12.1万円は電池部分5.6万円、PCS(電力変換装置)1.5万円、その他(付帯設備など)4.0万円、工事費1.0万円に分かれます。電池部分・PCS・その他の内訳は、2022年度の推計値と事業者への聞き取りをもとにした推計値です。電池そのものは合計の半分ほどで、残りは電気を変換する機器や付帯設備、工事の費用です。
工事費1.0万円は2022年度の2.2万円から下がっていますが、事業者への聞き取りでは、人件費が上がっているとの声もあります。工事費は基礎工事・据え付け・電気工事などを含み、家ごとの条件で変わります。
見積りを比べる前に確かめること
総額ではなく単価に直し、内訳を分けてもらい、設置後の費用も含めて比べます。点検は1回約3.8万円、パワコン交換は38.4万円程度が国の資料にある相場です。
購入時の価格が安くても、点検やパワーコンディショナの交換が含まれていなければ、あとから費用がかかります。委員会の資料では、パワコンの交換費用は前年の聞き取りの42.3万円から38.4万円程度に変わっており、今後も動く数字です。
価格が分かったら、次は元が取れるかどうかです。売電と自家消費の単価を使った計算は太陽光は何年で元が取れるか、蓄電池の寿命の考え方は家庭用蓄電池は何年もつかで整理しています。訪問販売で急がされたときは、契約前に確認する5点も見てください。
よくある質問
- Q. 見積りが1kWあたり35万円でした。高すぎますか
- 国の資料にある2025年設置の平均は、新築で28.9万円、既築で30.1万円です。これより高いからといって不当とは言えず、屋根の形や足場、配線の長さで工事費は変わります。内訳を出してもらい、どの項目が平均より高いのかを確かめると判断しやすくなります。
- Q. 蓄電池は補助金を使うと安くなるのですか
- 補助金を使わない場合の目安は、工事費込みで1kWhあたり17〜22万円程度です。国の資料にある12.1万円は、令和5年度の補助事業に申請された案件の平均で、導入価格14.1万円/kWh以下が要件の事業のデータです。補助金はさらに差し引かれますが、使える補助金は住む自治体と時期で変わるので、国や都県の補助金の記事で受付状況を確かめてください。
- Q. 設置したあとにかかる費用はありますか
- 国の委員会の資料では、3〜5年に1回程度の定期点検が推奨され、1回あたり約3.8万円が相場とされています。パワーコンディショナは20年間で一度は交換され、38.4万円程度が一般的な相場とされています。購入時の価格とあわせて見込んでおくと安心です。
この記事の用語
- kW
- 発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
- kWh
- 電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
- 自家消費
- 発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
- パワーコンディショナ
- 太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
- 売電
- 発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る
- 家庭用蓄電池
- 太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る
出典
| 発行元 | ページ名 | 確認日 |
|---|---|---|
| 調達価格等算定委員会(経済産業省) | 令和8年度以降の調達価格等に関する意見(令和8年2月5日) | 2026年9月24日 |
| 経済産業省(定置用蓄電システム普及拡大検討会) | 2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(2025年3月7日) | 2026年9月24日 |
| 経済産業省 | 定置用蓄電システムの現状と課題(2025年3月12日 資料6) | 2026年9月24日 |
