太陽光と蓄電池の価格 国の資料で見る1kW・1kWhの相場

国の資料では、住宅用太陽光は2025年設置の新築平均で1kWあたり28.9万円です。家庭用蓄電池は工事費込みで1kWhあたり17〜22万円程度が目安で、容量や機種で幅があります。

屋根の太陽光パネルと屋外の蓄電池を備えた戸建て住宅のイメージ
太陽光パネルと蓄電池を設置した戸建て住宅。※画像はイメージです。
目次
  1. 太陽光は1kWあたり約29万円、蓄電池は1kWhあたり17〜22万円程度
  2. 太陽光の価格は下がってきたか
  3. 費用の内訳を知ると見積りが読める
  4. 補助事業の外で買うときの目安は17〜22万円程度
  5. 蓄電池の価格が変わる条件
  6. 補助事業のデータで見る蓄電池の価格の推移
  7. 見積りを比べる前に確かめること

太陽光は1kWあたり約29万円、蓄電池は1kWhあたり17〜22万円程度

国の資料では、住宅用太陽光は2025年設置の新築平均で1kWあたり28.9万円です。家庭用蓄電池は工事費込みで1kWhあたり17〜22万円程度が目安で、容量や機種で幅があります。

図1 「1単位あたり」の価格の目安(2026年9月24日時点で確認できる国の資料から)
太陽光(新築・2025年設置の平均)
28.9万円/kW
既築は30.1万円/kW
蓄電池(工事費込みの目安)
17〜22万円/kWh程度
容量・機種で上下する
太陽光は調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(令和8年2月5日)の平均値。蓄電池は「2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」(2025年3月7日)にある事業者への聞き取り結果(補助事業以外で導入する場合、設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度)を編集部が足した目安。単位が違うため、2つの数字の大小は比べられない。

太陽光は発電できる大きさ(kW)あたり、蓄電池はためられる量(kWh)あたりで価格を見ます。総額は設備の大きさで変わるため、見積りを比べるときも単価に直すのが近道です。

太陽光の数字は、国の委員会が実際の設置データを集めて出した平均です。蓄電池の17〜22万円程度は、経済産業省の検討会の資料にある事業者への聞き取り結果(補助事業以外で導入する場合、設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度)を編集部が足した目安です。

図2 単価に大きさをかけると総額の目安になる(計算例)
太陽光 5kW(新築)
28.9万円 × 5kW
144.5万円
蓄電池 10kWh
17〜22万円 × 10kWh
170〜220万円
合計の目安
補助金を引く前
314.5〜364.5万円
5kW・10kWhは計算のための仮の大きさ。太陽光は平均の単価、蓄電池は目安の幅のまま計算した。単価をかけただけの目安で、実際の見積りは屋根や設置場所の条件で上下する。

図2は単価をかけただけの計算です。実際の価格は屋根の形、足場の有無、配線の長さなどで変わり、この目安より高くも安くもなります。

太陽光の価格は下がってきたか

住宅用太陽光の1kWあたりの費用は、2012年の46.5万円から2021年の27.5万円まで下がりました。その後は横ばいからやや上がり、2025年は29.0万円です。

図3 住宅用太陽光(10kW未満)のシステム費用の平均(新築・既築の全体、万円/kW)
46.5
2012
37.6
2015
33.3
2018
27.5
2021
29.4
2024
29.0
2025
設置年ごとの平均値。2014年までは太陽光発電協会の補助金交付実績、2015年からはFIT認定設備の定期報告のデータ。出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」参考26。

委員会の意見書は、住宅用太陽光の費用は新築・既築とも下がる傾向にあったものの、2023年度以降はやや上がっていると書いています。新築の2025年設置の平均28.9万円は、2024年設置より0.2万円、2023年設置より0.5万円高い値です。

「年々安くなるから待つほど得」とは、ここ数年の数字からは言えません。一方で、10年あまり前と比べれば4割近く下がった水準にあります。

図4 新築と既築で比べた2025年設置の費用(万円/kW)
新築に設置
平均値28.9万円
中央値29.4万円
既築(今の家)に設置
平均値30.1万円
中央値—(資料に記載なし)
出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」本文と参考26。既築の平均値は参考26の図の値。新築と既築を合わせた全体の平均は29.0万円(図3の2025年)。

今住んでいる家に後から載せる既築は、2025年設置の平均で新築より1kWあたり1.2万円高くなっています。既築の家で見積りを比べるときは、新築の28.9万円ではなく既築の30.1万円を目安にします。

費用の内訳を知ると見積りが読める

新築の2025年設置の平均28.9万円/kWのうち、太陽光パネルが約47%、工事費が約29%を占めます。見積りを受け取ったら、同じ項目に分けて比べます。

図5 住宅用太陽光(新築・2025年設置)の費用の内訳(万円/kW)
① 設備費と工事費の合計 30.6万円
パネル 13.5パワコン 5.3架台 3.2工事費 8.5
② 値引き1.7万円を差し引いた平均
28.9−1.7
設備費22.1万円は、パネル13.5・パワーコンディショナ5.3・架台3.2・その他0.2の合計(その他は幅が小さいため帯から省いた)。四捨五入のため、内訳の合計は設備費と一致しない。値引き1.7万円は資料の図にある項目で、定期報告データの内訳の合計(30.6万円)と平均(28.9万円)の差。何の値引きかの説明は資料に無い。出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」参考26。
足場を組んだ寄棟屋根に設置した太陽光パネルの俯瞰
足場を組んで太陽光パネルを設置した住宅。工事費は設備や施工条件によって変わります。

内訳を見ると、パネルの本体だけで価格が決まるわけではないと分かります。パワーコンディショナ(直流の電気を家で使える交流に変える機器)と架台、そして工事費を合わせると、半分を超えます。

見積りが「一式」とだけ書かれていると、どこが高いのか比べられません。パネル・パワコン・架台・工事費に分けて書いてもらうと、図5と並べて確かめられます。

補助事業の外で買うときの目安は17〜22万円程度

検討会が事業者に聞き取った結果では、補助事業以外で買う場合、設備費は1kWhあたり15〜20万円、工事費は2万円程度が標準的な水準です。足すと工事費込みで17〜22万円程度です。

図6 蓄電池の1kWhあたりの価格:目安と補助事業のデータ
補助事業以外(事業者への聞き取り)
17〜22万円/kWh程度
工事費込み(設備費15〜20+工事費2程度・計算)
補助事業のデータ(2023年度)
12.1万円/kWh
工事費込み(設備費11.1+工事費1.0)。導入価格14.1万円/kWh以下が要件の事業の平均
どちらも工事費込みの値で並べた。左は、事業者への聞き取りで確認された補助事業以外の標準的な水準(設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度)を編集部が足したもので、幅のまま示している。右の元になった環境省・経済産業省の補助事業では、導入価格(設備費+工事費・据付費)が1kWhあたり14.1万円以下であることが要件。出典:2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ。

同じ家庭用蓄電池でも、補助金に申請した案件の価格と、そうでない案件の価格には開きがあります。検討会の資料は、補助金を使う事業者は補助の上限に合わせて申請するため、推計値の程度に収まると思われる、という聞き取り結果も載せています。

工事費込みの見積りを1kWhあたりに直して比べるなら、補助事業以外の目安は、設備費15〜20万円に工事費2万円程度を足した17〜22万円程度(編集部の計算)です。これを大きく超えるときは、工事の範囲に何が含まれるかを内訳で確かめます。国や都県の補助金は国の補助金の記事補助金の一覧で確かめられます。

蓄電池の価格が変わる条件

国の資料では、工事費込みの1kWhあたりの価格は、容量が小さいほど割高になります。同じ容量でも、停電のときの電気の送り方や機器のつくりで価格が変わります。

図7 容量が小さいほど1kWhあたりは割高になる(補助事業のデータ・令和5年度、工事費込み、万円/kWh)
5kWh未満
16.6
設備15.0+工事1.6
5〜10kWh
11.9
設備10.6+工事1.3
10kWh以上
11.3
設備10.7+工事0.6
平均
12.1
設備11.1+工事1.0
棒の値は、資料にある容量区分ごとのシステム価格(設備)と工事費を編集部が足したもの。棒の長さは16.6万円を100%とした比。いずれも導入価格14.1万円/kWh以下が要件の補助事業の案件の値で、補助事業以外の価格はこれより高い(工事費込みで17〜22万円/kWh程度)。資料は、工事費は案件によるばらつきが大きいとしている。出典:2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(補助事業データを基にした三菱総合研究所の分析)。

検討会の資料は、1kWhあたりのシステム価格は5kWhを境に大きく下がり、1kWhあたりの工事費も容量が大きくなるにつれて下がる傾向にあるとしています。ただし設備だけで見ると5〜10kWhは10.6万円、10kWh以上は10.7万円でほぼ同じで、大きいほど設備が必ず安くなるわけではありません。工事費込みでは、容量が大きいほど1kWhあたりが下がります。

編集部が施工会社に聞き取ったところ、補助事業以外で買う場合も、容量が小さいほど1kWhあたりが割高になり、大きいほど割安になるとの説明でした(営業上の説明で、保証値ではありません)。容量の違う見積りを1kWhあたりで並べるときは、この差を頭に置いて比べます。

編集部が施工会社に聞き取ったところ、同じ容量でも、次の違いで価格が変わります(営業上の説明で、保証値ではありません)。

  • 停電のときに家全体へ電気を送るか(全負荷型)、決めた部屋・回路だけに送るか(特定負荷型)
  • 蓄電池専用の変換機器を持つか(単機能型)、太陽光と蓄電池の変換機器を1台にまとめるか(ハイブリッド型)
  • 変換機器(パワーコンディショナ)の定格出力(一度に出せる電気の大きさ)
停電時に家の4つの部屋すべてへ電気を送れる範囲を明るく示した模式図
全負荷型
停電時に選んだ1つの部屋・回路だけへ電気を送れる範囲を明るく示した模式図
特定負荷型
停電時に電気を送れる範囲を示した模式図。実際に使える回路や機器の構成は、製品と配線の設計によって異なります。※画像はイメージです。
屋根の太陽光と屋外の蓄電池が、それぞれ別の変換機器につながる模式図
単機能型
太陽光と蓄電池が1台の変換機器につながる模式図
ハイブリッド型
変換機器(パワーコンディショナ)の構成を示した模式図。機器の数だけで価格の高い・安いは判断できません。※画像はイメージです。

見積りを比べるときは、容量だけでなく、この3点がそろっているかを確かめてから1kWhあたりの価格を並べます。そろっていない見積りどうしでは、単価の差がそのまま割高・割安を表すとは限りません。

補助事業のデータで見る蓄電池の価格の推移

補助事業に申請された案件の平均は、1kWhあたり2019年度18.7万円、2022年度13.9万円、2023年度12.1万円です。導入価格14.1万円/kWh以下が要件の事業で、市場全体の相場より低めです。国の2030年目標は7万円です。

図8 補助事業に申請された家庭用蓄電システムの導入費用の推移(工事費込み、万円/kWh)
18.7
2019年度
13.9
2022年度
12.1
2023年度
7
2030目標
補助事業などのデータをもとにした分析結果で、市場全体の相場ではない。右端(淡い青)は国が設定した2030年の目標価格で、実績ではない。出典:経済産業省「定置用蓄電システムの現状と課題」(2025年3月12日)。

2023年度の12.1万円は、令和5年度の経済産業省・環境省のZEH補助事業などに申請された案件のデータをもとにした、検討会の資料(三菱総合研究所の分析)の値です。これらの補助事業には導入価格が1kWhあたり14.1万円以下という要件があるため、今の見積りの目安には17〜22万円程度(工事費込み)を使います。目標価格の7万円は国が普及のために置いた目安で、いつ届くかを示す数字ではありません。

検討会の資料では、2023年度の12.1万円は電池部分5.6万円、PCS(電力変換装置)1.5万円、その他(付帯設備など)4.0万円、工事費1.0万円に分かれます。電池部分・PCS・その他の内訳は、2022年度の推計値と事業者への聞き取りをもとにした推計値です。電池そのものは合計の半分ほどで、残りは電気を変換する機器や付帯設備、工事の費用です。

工事費1.0万円は2022年度の2.2万円から下がっていますが、事業者への聞き取りでは、人件費が上がっているとの声もあります。工事費は基礎工事・据え付け・電気工事などを含み、家ごとの条件で変わります。

見積りを比べる前に確かめること

総額ではなく単価に直し、内訳を分けてもらい、設置後の費用も含めて比べます。点検は1回約3.8万円、パワコン交換は38.4万円程度が国の資料にある相場です。

図9 見積りを比べる4つの手順
1単価に直す太陽光は万円/kW、蓄電池は万円/kWh
2内訳を出してもらうパネル・パワコン・架台・工事費
3国の値と並べる太陽光28.9〜30.1、蓄電池17〜22程度(工事費込み)。蓄電池は容量・機種をそろえて比べる
4設置後の費用も足す点検 約3.8万円/回、パワコン交換 38.4万円程度
点検とパワコン交換の相場は、委員会が太陽光発電協会に聞き取った結果(5kWの設備を想定)。点検は3〜5年に1回程度が推奨、パワコンは20年間で一度は交換される。出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」。

購入時の価格が安くても、点検やパワーコンディショナの交換が含まれていなければ、あとから費用がかかります。委員会の資料では、パワコンの交換費用は前年の聞き取りの42.3万円から38.4万円程度に変わっており、今後も動く数字です。

価格が分かったら、次は元が取れるかどうかです。売電自家消費の単価を使った計算は太陽光は何年で元が取れるか、蓄電池の寿命の考え方は家庭用蓄電池は何年もつかで整理しています。訪問販売で急がされたときは、契約前に確認する5点も見てください。

金額についての注記
※本記事は 2026年9月24日時点 で公開されている制度の内容にもとづきます。制度は年度ごとに改定されます。
※いずれの制度も予算の上限に達した時点で受付が終了する場合があります。記事中で「受付中」としたものが、閲覧時点では終了していることがあります。
※実際の設置費用と補助額は、住宅の条件・選ぶ機器・施工会社によって異なります。記載の金額は制度上の単価や上限であり、受け取れる額を保証するものではありません。

よくある質問

Q. 見積りが1kWあたり35万円でした。高すぎますか
国の資料にある2025年設置の平均は、新築で28.9万円、既築で30.1万円です。これより高いからといって不当とは言えず、屋根の形や足場、配線の長さで工事費は変わります。内訳を出してもらい、どの項目が平均より高いのかを確かめると判断しやすくなります。
Q. 蓄電池は補助金を使うと安くなるのですか
補助金を使わない場合の目安は、工事費込みで1kWhあたり17〜22万円程度です。国の資料にある12.1万円は、令和5年度の補助事業に申請された案件の平均で、導入価格14.1万円/kWh以下が要件の事業のデータです。補助金はさらに差し引かれますが、使える補助金は住む自治体と時期で変わるので、国や都県の補助金の記事で受付状況を確かめてください。
Q. 設置したあとにかかる費用はありますか
国の委員会の資料では、3〜5年に1回程度の定期点検が推奨され、1回あたり約3.8万円が相場とされています。パワーコンディショナは20年間で一度は交換され、38.4万円程度が一般的な相場とされています。購入時の価格とあわせて見込んでおくと安心です。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
kWh
電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
自家消費
発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
パワーコンディショナ
太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
売電
発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る
家庭用蓄電池
太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る

出典

発行元ページ名確認日
調達価格等算定委員会(経済産業省)令和8年度以降の調達価格等に関する意見(令和8年2月5日)2026年9月24日
経済産業省(定置用蓄電システム普及拡大検討会)2024年度定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(2025年3月7日)2026年9月24日
経済産業省定置用蓄電システムの現状と課題(2025年3月12日 資料6)2026年9月24日