国の太陽光・蓄電池補助金 使える3つの枠と終了した2つ

個人が申請できる国の枠は3つです。新築はみらいエコ住宅2026事業とZEH支援事業、既存の家は同事業のリフォームの枠で蓄電池に96,000円/戸が出ます。太陽光の設置工事は対象外です。

太陽光パネル設置前の屋根に取り付けた架台と配線
実際の設置例。パネルを載せる前の屋根に架台と配線を取り付けたところ。国の枠は、こうした工事費に比例して増える形ではなく、住宅の性能や設備の種類ごとの定額で出る。
目次
  1. 国の枠は新築が中心。既存の家は蓄電池だけ
  2. みらいエコ住宅2026事業でもらえる額
  3. 蓄電池に加算が付くのはZEH支援事業
  4. 受付を終えた2つの枠
  5. 国同士は重ねられない。自治体とは重ねられる
  6. 申請の期限と、次に見る場所

国の枠は新築が中心。既存の家は蓄電池だけ

国の枠は新築住宅の省エネ性能に対する定額が中心です。既存の家で使えるのは、みらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠で蓄電池に出る96,000円/戸で、太陽光発電設備の設置工事は補助対象外と明記されています。

図1 太陽光・蓄電池に関係する国の5つの枠(2026年9月14日時点)
今から申請できる
みらいエコ住宅2026事業(新築)新築の住宅性能に定額
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)既存住宅の蓄電池に96,000円/戸
ZEH支援事業新築の定額+蓄電池の加算
受付を終えた
DR家庭用蓄電池事業2026年5月29日に終了
V2H充放電設備の補助8月27日到着分まで
いずれも戸建ての個人が対象になり得る枠。リフォームの枠は設備の種類ごとの定額で、蓄電池は96,000円/戸。同じ枠の公式ページには「太陽光発電設備の設置工事」が補助対象にならない工事として明記されている。出典:各事業の公式ページ(2026年9月14日確認)。
図2 新築か、いま住んでいる家かで使える枠が変わる
太陽光パネルのない戸建てのイラスト
既存の家に後から載せる
太陽光は対象外/蓄電池は対象
太陽光パネルと家庭用蓄電池とパワーコンディショナのある戸建てのイラスト
新築を建てる・買う
住宅の性能で2つの枠が使える
新築の2つの枠は、住宅の省エネ性能の区分ごとに1戸あたりの定額が決まっている。既存の家のリフォームの枠は設備の種類ごとの定額で、蓄電池だけでは申請できず、開口部や躯体の断熱改修などの要件化工事と組み合わせる。※画像はイメージです。

太陽光と蓄電池の補助金を「国から出るもの」として探すと、話がかみ合わなくなることがあります。国の枠は住宅の性能や設備の種類に対して定額で出る形で、設備の値段に比例した単価を決めているのは都県や区市町村の制度だからです。

2026年9月14日時点で個人が申請できる国の枠は3つです。新築はみらいエコ住宅2026事業とZEH支援事業の2つ、既存の家は同じみらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠で、蓄電池に96,000円/戸が出ます。ただし蓄電池だけでは申請できず、開口部の断熱改修や躯体の断熱改修などの要件化工事と組み合わせることが条件です。

リフォームの枠の対象になるのは、平成28年12月31日以前に新築されたことを登記事項証明書で確認できる住宅です。工事着手は2025年11月28日から、交付申請は遅くとも2026年12月31日までで、どちらも予算上限に達した時点で締め切られます。

太陽光は扱いが違います。この枠の公式ページには「太陽光発電設備の設置工事」が補助対象にならない工事として挙げられているため、既存の家にパネルを載せる場合は都県と区市町村の制度が中心になります。3つの層の関係は東京都の補助金の整理にまとめています。

みらいエコ住宅2026事業でもらえる額

新築の戸建ては、GX志向型住宅が125万円/戸、長期優良住宅が80万円/戸、ZEH水準住宅が40万円/戸です(いずれも地域区分1〜4地域の額)。5〜8地域はそれぞれ110万円・75万円・35万円になります。

図3 みらいエコ住宅2026事業の補助額(新築・1戸あたり)
GX志向型住宅すべての世帯
125万円
5〜8地域は110万円
長期優良住宅子育て・若者夫婦世帯
80万円
5〜8地域は75万円
ZEH水準住宅子育て・若者夫婦世帯
40万円
5〜8地域は35万円
棒の長さは1〜4地域の125万円を100%とした比。地域区分は建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律に基づく「地域の区分」による。長期優良住宅とZEH水準住宅は、要件を満たす古家の除却を行う場合に20万円を上限として加算される。この加算はGX志向型住宅には付かない。出典:みらいエコ住宅2026事業「対象要件の詳細【注文住宅の新築】」(2026年9月14日確認)。
図4 GX志向型住宅の要件(戸建住宅・寒冷地や多雪地域以外)
1断熱等性能等級6以上外皮平均熱貫流率などの基準
2再エネを除く削減率35%以上一次エネルギー消費量等級8も必要
3再エネを含む削減率100%以上再生可能エネルギーを計算に入れる区分
4高度エネルギーマネジメント対応コントローラを設置する
4つすべてに該当する住宅が対象。寒冷地・低日射地域は3が75%以上、多雪地域・都市部狭小地等は3の要件がない。4は「ECHONET Lite AIF仕様」に対応するコントローラの設置を指す。出典:みらいエコ住宅2026事業「新築住宅の省エネ性能」(2026年9月14日確認)。

世帯の条件は住宅の区分で変わります。GX志向型住宅はすべての世帯が対象で、長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯または若者夫婦世帯に限られます。

3つ目の要件は、再生可能エネルギーを計算に入れたうえで一次エネルギー消費量を100%以上減らすという内容です。寒冷地や多雪地域などに当たらない地域では、屋根の太陽光が前提になります。

補助は住宅に対する定額なので、太陽光を何kW載せても額そのものは変わりません。容量の決め方は設備の側の話で、太陽光は何年で元が取れるかの記事の考え方が使えます。

蓄電池に加算が付くのはZEH支援事業

ZEHが55万円/戸、ZEH+が90万円/戸(1〜4地域)の定額に、蓄電システムの加算が付きます。加算は1kWhあたり2万円・補助対象経費の3分の1・20万円/戸のうち、最も低い額です。

図5 ZEH支援事業の補助額(単年度事業・1戸あたり)
ZEH+省エネをさらに深掘り
90万円
5〜8地域は80万円
ZEH再エネの導入が要件
55万円
5〜8地域は45万円
棒の長さは1〜4地域の90万円を100%とした比。交付要件を満たす場合に限り、Nearly ZEHとZEH OrientedはZEHと同額、Nearly ZEH+はZEH+と同額になる。複数年度事業は総額が単年度と同じで、受け取りが2年に分かれる。1年目はBELS取得に係る費用として定額5万円/戸、2年目はZEHが50万円/戸(5〜8地域は40万円)、ZEH+が85万円/戸(同75万円)。出典:令和8年度 ZEH支援事業 公募要領(個人申請向け)(2026年9月14日確認)。
図6 蓄電システムの加算は、3つのうち最も低い額
容量で決まる額
初期実効容量1kWhあたり
2万円
経費で決まる額
蓄電システムの補助対象経費の
3分の1
1戸あたりの上限
この額を超えない
20万円
3つのうち最も低い額が加算される。1,000円未満の端数は切り捨て。初期実効容量はJIS C 4413で定義された値のうち、計算値と計測値の低い方を使う。出典:令和8年度 ZEH支援事業 公募要領(個人申請向け)(2026年9月14日確認)。

国の枠で蓄電池の容量が金額に効くのは、いまのところこの加算だけです。1kWhあたり2万円という単価なので、初期実効容量が10kWhあれば20万円の上限に届く計算になります。

蓄電システムの側にも条件が付きます。本年度SIIに製品登録された製品であること、導入価格(設備費+工事費・据付費)が蓄電容量1kWhあたり11.5万円以下であること、再生可能エネルギーの自家消費量を増やす目的で入れることの3つです。

非常用の電力確保だけを目的として限定的にためる使い方は、対象外と明記されています。蓄電池をどれくらいの期間使えるかは蓄電池の寿命の記事で扱っています。

受付を終えた2つの枠

既存の家でも使えた国の2つの枠は、2026年のうちに受付を終えました。DR家庭用蓄電池事業が5月29日、V2H充放電設備の補助が8月27日に到着した申請までです。

図7 2つの枠が閉じるまで(2026年)
5/29
DR家庭用蓄電池事業が公募終了
交付申請額の合計が予算に達したため
8/27
V2Hはこの日到着分で受付終了
当初の締切は9月30日17時だった
8/28
V2Hが予算額を超過
この日以降に到着した申請は無効
DR家庭用蓄電池事業の補助上限は1申請あたり60万円で、対象経費は蓄電システムの機器代と工事費・据付費だった。V2Hの受付終了は8月28日付で次世代自動車振興センターから告知された。出典:SII「DR家庭用蓄電池事業」、次世代自動車振興センター「交付申請受付終了のお知らせ」(2026年9月14日確認)。

DR家庭用蓄電池事業は、DRに活用できる家庭用蓄電システムを新たに入れる個人などを対象に、1申請あたり60万円を上限として機器代と工事費・据付費を見る枠でした。交付申請額の合計が予算に達したため、2026年5月29日に公募が終わっています。

V2Hの補助は当初9月30日17時が締切でしたが、8月28日に到着した申請で予算額を超えました。この設備の仕組みと、いま受付が続いている自治体の助成はV2Hの記事にまとめています。

国同士は重ねられない。自治体とは重ねられる

みらいエコ住宅2026事業とZEH支援事業は併用できません。一方で地方公共団体の制度は、国費が充当されているものを除いて併用できるとされています。

図8 国の枠と、他の補助金の重ね方
重ねられる
都県・区市町村の制度国費が充当されているものを除く
給湯省エネ2026事業燃料電池(エネファーム)は併用可
重ねられない
国の2つの枠どうしみらいエコ住宅2026事業とZEH支援事業
EVの充電・充放電設備の補助金ZEH支援事業とは併用不可
右側はZEH支援事業の公募要領が示す併用可否。同じ表では、給湯省エネ2026事業のエコキュートとハイブリッド給湯機も併用不可とされている。左側の自治体の扱いは、みらいエコ住宅2026事業の記載による。出典:両事業の公式資料(2026年9月14日確認)。

どちらの事業も、国庫を財源とする補助金で補助対象が重なるものは併用を認めていません。新築で迷ったときは、住宅の性能がどちらの要件に届くかで選ぶ順番になります。

自治体の制度は重ねられますが、国の受給額を対象経費から差し引く扱いをしている自治体があります。区市町村ごとの違いは東京都の補助金の整理で扱っているので、控除の有無は申請前に確かめてください。

申請の期限と、次に見る場所

締切は事業ごとに違い、どちらも予算上限に達した時点で閉じます。ZEH支援事業の単年度事業は12月11日17時、みらいエコ住宅2026事業の交付申請は遅くとも12月31日までです。

図9 2つの枠の締切(2026年)
9/30
みらいエコ住宅・ZEH水準住宅
注文住宅の新築の交付申請はここまで
11/16
みらいエコ住宅・交付申請の予約
遅くともこの日まで
12/11
ZEH支援事業・単年度事業の締切
17時まで。公募開始は5月21日
12/31
みらいエコ住宅・交付申請
遅くともこの日まで
いずれも予算上限に達した場合は、その時点までとなる。みらいエコ住宅2026事業の注文住宅の新築(ZEH水準住宅)は、交付申請の予約の期限が8月17日で、すでに過ぎている。ZEH支援事業の複数年度事業は11月6日開始・2027年1月8日17時締切。出典:両事業の公式ページ(2026年9月14日確認)。

新築の計画は着工の時期が先に決まるため、枠が残っているかを早い段階で見ておく形になります。みらいエコ住宅2026事業は2025年11月28日以降に基礎工事へ着手した住宅が対象で、交付申請は基礎工事の完了以降にできます。

確認する場所は2つです。みらいエコ住宅2026事業は住宅省エネ2026キャンペーンのページ、ZEH支援事業はZEH Webの公募情報のページで、締切と予算の状況が更新されます。

自治体の制度は別に確認します。1都3県それぞれの一覧は東京都神奈川県埼玉県千葉県の各ページにまとめています。

金額についての注記
※本記事は 2026年9月14日時点 で公開されている制度の内容にもとづきます。制度は年度ごとに改定されます。
※いずれの制度も予算の上限に達した時点で受付が終了する場合があります。記事中で「受付中」としたものが、閲覧時点では終了していることがあります。
※実際の設置費用と補助額は、住宅の条件・選ぶ機器・施工会社によって異なります。記載の金額は制度上の単価や上限であり、受け取れる額を保証するものではありません。

よくある質問

Q. 既存の家に太陽光を後付けするとき、国からもらえる補助はありますか
みらいエコ住宅2026事業のリフォームの枠では、「太陽光発電設備の設置工事」が補助対象にならない工事として明記されています。同じ枠で蓄電池は96,000円/戸の対象ですが、断熱改修などの要件化工事と組み合わせることが条件です。太陽光そのものについては、お住まいの都県と区市町村の制度を先に確認してください。
Q. みらいエコ住宅2026事業とZEH支援事業は、両方申請できますか
できません。ZEH支援事業の公募要領は、みらいエコ住宅2026事業を併用できない事業として示しています。国庫を財源とする補助金のうち、補助対象が重なるものは併用が認められない決まりです。
Q. 蓄電池を大きくすれば、国の補助も増えますか
増えるのはZEH支援事業の加算だけで、その加算にも1戸あたり20万円という上限があります。加算額は、初期実効容量1kWhあたり2万円、蓄電システムの補助対象経費の3分の1、20万円のうち最も低い額です。上限に届いたあとは、容量を増やしても加算額は変わりません。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
kWh
電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
初期実効容量
蓄電池が導入時点で実際に充放電に使える容量。カタログの定格容量より小さい。補助金の計算にこの値を使う自治体がある。 用語集で見る
自家消費
発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
SII
国の補助事業の執行を担う一般社団法人。補助対象になる蓄電池の登録製品リストを管理している。 用語集で見る
V2H
電気自動車の電池から家に電気を送る設備(Vehicle to Home)。車を大きな蓄電池として使う考え方。 用語集で見る
DR
電力の需要と供給に合わせて、家庭の蓄電池などの充放電を調整する仕組み。国の蓄電池補助の参加条件になっていた。 用語集で見る
家庭用蓄電池
太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る

出典

発行元ページ名確認日
みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省)対象要件の詳細【注文住宅の新築】2026年9月14日
みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省)新築住宅の省エネ性能2026年9月14日
みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省)対象要件の詳細【リフォーム】2026年9月14日
みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省)エコ住宅設備の設置【リフォーム】2026年9月14日
国土交通省みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)の内容について(PDF)2026年9月14日
住宅省エネ2026キャンペーン事務局住宅省エネ2026キャンペーン2026年9月14日
一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)令和8年度 新築戸建ZEH 公募情報(一般公募)2026年9月14日
一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)令和8年度 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業 公募要領(個人申請向け・PDF)2026年9月14日
一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業 事業概要2026年9月14日
一般社団法人次世代自動車振興センター〈重要〉令和7年度補正予算 V2H充放電設備・外部給電器 における交付申請受付終了のお知らせ(PDF)2026年9月14日