太陽光発電の仕組み 光が家の電気になるまでの5つの機器

屋根の太陽電池が光を直接電気(直流)に変え、パワーコンディショナが家で使える交流に直します。電気はまず家で使われ、余った分は電線へ流れて売電されます。電気をためる働きは太陽電池にはありません。

屋根材の上に並べた太陽光パネルと、パネルから延びる配線を近くから見た様子
屋根に並べた太陽光パネルと配線。パネルの細かな区切りの一つひとつが、光を電気に変える太陽電池です。実際の設置例。
目次
  1. 太陽光発電は光を直接電気に変える仕組み
  2. パネルの中で起きていること
  3. 家の中で電気を届ける機器の役割
  4. つくった電気はまず家で使い、余りを売る
  5. 停電しても自立運転で使える
  6. 長く使うための点検の目安

太陽光発電は光を直接電気に変える仕組み

屋根の太陽電池が光を直接電気に変えます。その電気は直流なので、パワーコンディショナで家で使える交流に直してから、分電盤を通って家じゅうのコンセントへ届きます。

図1 光が家の電気になるまでの流れ
1太陽電池モジュール光を電気(直流)に変える
2接続箱パネルからの配線を一本にまとめる
3パワーコンディショナ直流を家で使える交流に変える
4分電盤家の配線に電気を分ける
5電力量計売った電気・買った電気を計る
機器の名前と役割は、太陽光発電協会「住宅用太陽光発電システムとは」のシステム構成例による。

資源エネルギー庁は、太陽光発電を「太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法」と説明しています。燃料を燃やしたり、タービンを回したりする工程はありません。

太陽光発電協会は、発電するときに二酸化炭素や大気汚染物質を出さず、騒音も出さない点を特長に挙げています。英語では Photovoltaic(PV)と呼ばれ、機器の説明書や資料に「PV」と書かれていることがあります。

屋根の上で起きるのは、光を電気に変えることだけです。家で使える形に整えて配るまでは、図1の2〜5の機器が受け持ちます。

パネルの載せ方にも種類があります。太陽光発電協会の解説では、屋根材の上に架台を付けて載せる「屋根置き型」と、パネルに屋根材の機能を持たせた「屋根建材型」に分かれます。どちらでも、光を電気に変える仕組みは同じです。

図2 太陽光だけの家と、蓄電池も組み合わせた家
太陽光パネルを載せた戸建てのイラスト
太陽光だけ
昼に発電した電気をその場で使う
太陽光パネルと家庭用蓄電池、パワーコンディショナのある戸建てのイラスト
蓄電池も組み合わせる
昼の電気をためて夜に使う
蓄電池は電気をためる装置で、昼に発電した電気を夜に使って自家消費を増やせる(太陽光発電協会の説明)。※画像はイメージです。

太陽光発電の設備は、蓄電池がなくても動きます。蓄電池は発電そのものに使う機器ではなく、昼の電気を夜に回すために組み合わせる機器です。

パネルの中で起きていること

太陽電池は、性質の違う2種類の半導体を重ねた板です。光が当たると内部で電気のもとが生まれて表と裏に分かれ、電線をつなぐと電流が流れます。

図3 シリコン太陽電池の中で起きていること
光
太陽の光が当たる
当たった光の強さに比例して発電する
▼ 電子(−)と正孔(+)が生まれる
表面
n型半導体
電子(−)が引き寄せられる
▼ 表と裏に分かれる
裏側
p型半導体
正孔(+)が引き寄せられる
表面と裏面の電極に電気製品などをつなぐと、電流が流れ出す。太陽光発電協会「太陽光発電の基礎知識」の「太陽電池の発電原理」をもとに編集部が図にした。

太陽光発電協会の解説によると、今もっとも多く使われているのはシリコン系の太陽電池です。電気の性質が違うp型とn型の半導体(電気を通したり通さなかったりする材料)を重ねた構造になっています。

光が強いほど多く発電し、弱ければ発電も減ります。資源エネルギー庁も、気候条件で発電出力が左右されることを太陽光発電の課題に挙げています。

1年でどれくらい発電するかについて、国の委員会は、住宅用太陽光の売電価格を決める計算で設備利用率を13.7%と見込んでいます。1年の8,760時間に掛けると、1kWあたり年約1,200kWhです。実際の発電量は、屋根の向きや角度、地域の日照で上下します。

太陽光発電協会によると、太陽光発電は設備の規模に関係なく発電効率がほぼ一定です。家庭の屋根でも大きな発電所でも、同じ仕組みで電気をつくっています。資源エネルギー庁は、軽くて曲げられるフィルム型のペロブスカイト太陽電池にも触れ、重さに弱い屋根など、これまで載せにくかった場所への設置が期待されるとしています。

図4 「太陽電池」と「蓄電池」は役割が違う
太陽電池(パネル)
つくる
光を電気に変える。ためる機能はない
/
家庭用蓄電池
ためる
つくった電気や買った電気をためて後で使う
太陽光発電協会は、太陽電池について「『電池』という名前がついていますが、電気をためる機能はありません」と説明している。

名前が似ているため、パネルに電気がたまると思われがちです。太陽電池は光が当たっている間だけ発電する装置で、夜に使う電気は蓄電池にためるか、電力会社から買うことになります。

家の中で電気を届ける機器の役割

パネルのほかに、配線をまとめる接続箱、交流に変えるパワーコンディショナ、家の配線に分ける分電盤、売り買いを計る電力量計の4つが働きます。蓄電池と発電量モニタは、編集部の分け方では必要に応じて加える機器です。

図5 住宅用太陽光発電システムの機器と役割
基本の5つ
太陽電池モジュール光を電気に変える
接続箱直流の配線をまとめる
パワーコンディショナ直流を交流に変える
分電盤家の配線に分ける
電力量計売買した電気を計る
必要に応じて加える2つ
家庭用蓄電池電気をためる
発電量モニタ発電量・消費量を表示
太陽光発電協会「住宅用太陽光発電システムとは」のシステム構成例にある7つの機器を、編集部が2つに分けた。機器の構成は製品や設置の条件で異なる。

中心になるのはパワーコンディショナです。太陽光発電協会の説明では、パネルがつくる直流(流れる向きが一定の電気)の電気を、家の電気製品が使う交流(向きが周期的に入れ替わる電気)に、ここで変換します。

太陽光発電協会によると、パワーコンディショナは停電したときの切り替えにも関わる機器です。見積りで機器の名前が並んでいても、図5と見比べると、どれが何のための機器か分かります。

太陽光発電協会の説明では、接続箱はパネルからの直流の配線を一本にまとめてパワーコンディショナへ送る箱、電力量計は電力会社に売った電気と買った電気を計るメーターです。発電量モニタについても、同協会は発電量や消費電力量を数字で表示する機器とし、電気の使用量が見えることで省エネの意識が芽生えると説明しています。

つくった電気はまず家で使い、余りを売る

昼に発電した電気は、まず家の中で使われます。使いきれなかった分が電線へ流れて売電になり、夜や発電が足りない時間は、これまでどおり電力会社から買います。

住宅の太陽光パネルでつくった電気を家で使い、余った分が電力量計を経て電線へ向かう模式図
橙(オレンジ)はパネルから機器へ、緑は家で使う方向、青は余った電気が電力量計を通って電線へ向かう方向です。線は電気の流れを示す模式表現です。※画像はイメージです。
図6 晴れた日の電気の流れ(イメージ)
朝
発電が少ない
足りない分を電力会社から買う
昼
発電が多い
家で使い、余った分を売る
夕方
発電が減る
再び買う量が増える
夜
発電しない
買う(蓄電池があればためた電気を使う)
売った量と買った量は電力量計で計られる(太陽光発電協会の説明)。時間帯ごとの発電量は天気・季節・屋根の向きで変わるため、数字は入れていない。

発電した電気を家で使うことを自家消費といいます。太陽光発電協会は、売電の金額に目が行きがちでも、昼につくった電気を使うことで電気料金を減らせることが期待される点を挙げています。

出力10kW未満の太陽光には、国の固定価格買取制度(FIT)で買取価格が決まっています。2026年度に新しく認定を受ける場合の価格は図7のとおりです。

図7 10kW未満の太陽光の買取価格(2026年度の認定分・1kWhあたり)
運転開始から4年目まで
24円/kWh
調達期間10年のうち最初の4年間
→
5年目から10年目まで
8.3円/kWh
調達期間10年のうち残りの6年間
住宅用太陽光の「初期投資支援スキーム」の価格で、2025年度下半期(10月〜3月)から同じ価格が2026年度・2027年度にも適用される。出典:資源エネルギー庁「買取価格・期間等」(2026年4月現在の反映)、調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」11ページ。

24円は運転開始から4年目までの単価で、5年目からは8.3円に下がります。売るか家で使うかの損得は、この単価と、電力会社から買う電気の単価を比べて考えます。

買取期間は10年です。10年を過ぎたあとの売り方は卒FITの記事に、売電と自家消費を合わせた回収の考え方は何年で元が取れるかの記事にまとめています。

停電しても自立運転で使える

停電するとシステムは自動的に止まります。自立運転に切り替えると、太陽が出ている時間帯は専用のコンセントから電気を使えます。使える電力は、太陽光発電協会によると最大1.5kWです。

屋外のパワーコンディショナから室内の専用コンセントへ電気が届くイメージ
屋外にパワコンがある例。停電時に自立運転へ切り替えると、昼間に発電できている間、宅内の専用コンセントから電気を使えます。緑の線は電気の流れを表し、配線経路ではありません。専用コンセントの位置や使い方は機種で異なります。※画像はイメージです。
図8 停電時に自立運転へ切り替える流れ
1事前に確認専用コンセントの位置と切り替え方法
2ブレーカーを切る主電源、次に太陽光発電
3自立運転モード取扱説明書どおりに切り替える
4専用コンセントで使う必要な機器だけをつなぐ
5復旧したら元に戻すモード解除→主電源→太陽光の順に戻し、通常(連系運転)モードを確認
太陽光発電協会「停電時でも電気が使えます」の8つの手順を、編集部が5つにまとめた。操作はメーカー・機種で異なる。最大1.5kWは同協会「住宅用太陽光発電システムのメリット」による。

太陽光発電協会によると、自立運転ではテレビや炊飯器、電気ポット、携帯電話の充電器などを使えます。ただし使える量は日射量で変わり、夜は発電しません。

停電してから説明書を探すのは大変です。専用コンセントの場所と切り替え方は、平常時に一度確かめておくと慌てずに済みます。

資源エネルギー庁は、太陽光発電は災害時に貴重な非常用電源になり、蓄電池と組み合わせるとより強い非常用電源として期待されると説明しています。蓄電池があれば、昼にためた電気を夜にも使えます。同庁のページでは、水害時の感電の危険など、災害時の注意情報として太陽光発電協会の資料も案内しています。

長く使うための点検の目安

太陽光発電協会は、所有者が行う日常点検と、専門業者に頼む定期点検の2つを勧めています。定期点検は設置後1年目、その後は4年に1度が推奨です。

図9 太陽光発電の点検の目安
1日常点検(自分で)順調に発電しているか、外観・異音・異臭
2月に一度前年の同じ月の発電量と比べる
3定期点検(1年目)販売店・工務店・メーカーに相談
4定期点検(以後4年に1度)項目は年数や使用状況で変わる
出典:太陽光発電協会「長く使っていただくために」。同協会は、FIT制度の「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」で保守点検と維持管理が義務とされていることも説明している。

太陽電池は家電より長く使える一方で、故障や性能の低下が起きないわけではありません。発電量モニタの数字を前年と比べると、落ち込みに気付きやすくなります。

FITで売電している設備では、点検は任意の手入れにとどまりません。太陽光発電協会は、FIT制度の事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)で「保守点検および維持管理を実施すること」とされ、義務であることが示されていると説明しています。点検の中身や費用は、販売店・工務店・メーカーに相談します。

資源エネルギー庁によると、国内の太陽光発電の導入量は2024年度末に7,985万kWに達しました。設置を考え始めたら、価格の目安や国の補助金、お住まいの都県の補助金の一覧もあわせて確かめてください。

よくある質問

Q. 太陽光パネルに電気をためておけますか
ためられません。太陽光発電協会の解説のとおり、太陽電池は「電池」という名前でも電気をためる機能を持たない装置です。夜に使いたい場合は、昼の電気をためる家庭用蓄電池を別に組み合わせます。
Q. 曇りや雨の日も発電しますか
太陽光発電協会によると、太陽電池は当たる光の強さ(日射強度)に比例して発電します。曇りや雨の日は光が弱いぶん発電量が下がり、夜は発電しません。資源エネルギー庁も、気候条件で発電出力が左右されることを太陽光発電の課題に挙げています。
Q. 停電したら自動で家じゅうの電気が使えますか
使えません。太陽光発電協会によると、停電するとシステムは自動的に止まり、自立運転に切り替えると、太陽が出ている時間帯に専用のコンセントから使えるようになります。同協会は、使える電力を最大1.5kWとしています。切り替え方は機種で違うので、取扱説明書で平常時に確かめておきます。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
kWh
電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
FIT
太陽光などでつくった電気を、国が決めた価格で一定期間(住宅用は10年)電力会社が買い取る仕組み。 用語集で見る
自家消費
発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
パワーコンディショナ
太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
売電
発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る

出典

発行元ページ名確認日
資源エネルギー庁太陽光発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー2026年9月26日
資源エネルギー庁買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー2026年9月26日
調達価格等算定委員会(経済産業省)令和8年度以降の調達価格等に関する意見(令和8年2月5日)2026年9月26日
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)太陽光発電の基礎知識2026年9月26日
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)住宅用太陽光発電システムとは2026年9月26日
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)住宅用太陽光発電システムのメリット2026年9月26日
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)停電時でも電気が使えます2026年9月26日
一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)長く使っていただくために2026年9月26日