世田谷区で使える補助金の全体像
出どころは「国」「東京都」「世田谷区」の3層ですが、2026年9月20日時点でいま新たに申し込めるのは上の2層だけです。区の設置補助は実証事業が令和8年8月21日で募集を終えています。

太陽光と家庭用蓄電池の補助は、国・都・区で別々の制度です。世田谷区の場合、区の層はいま新たに申し込める設置補助が無いため、都と国の条件を先に読むことになります。
蓄電池 96,000円/戸。対象住宅で断熱改修と同時に設置する場合が対象。蓄電池単体の工事と太陽光発電設備の設置工事は対象外
既存住宅で太陽光 15万円/kW(3.75kW以下)・12万円/kW(3.75kW超)、蓄電池 10万円/kWh
対象は窓・ドア・浴槽・屋根の4工事。合計上限20万円
薄型パネルの実証事業令和8年8月21日で募集終了
設置費を1kWあたり4万円・上限20万円で補助
区の層が空いていても、都と国の制度は他の区市町村と同じように使えます。東京都全体の仕組みは東京都の補助金の記事にまとめています。
区の制度が無い自治体は都内では珍しくありません。制度があっても予算に達して止まる例があり、練馬区の記事ではその経過を追っています。
区は、国・東京都・区の制度を「再エネ電力」「太陽光・蓄電池」「エアコン・冷蔵庫・給湯器」「新築住宅」「リフォーム」の5つの観点でまとめた案内サイトを運営しています。そのサイトの太陽光パネル・蓄電池の欄でも、世田谷区の行は「−」のまま表示されています。
区のエコ住宅補助金の手引きも、最後の章でこの案内サイトを紹介しています。区として太陽光と蓄電池の情報を出していないわけではなく、金額を出す層が国と都に寄っている形です。
区のエコ住宅補助金から太陽光が外れた
令和8年度の対象は窓・ドア・浴槽・屋根の4工事です。手引きは変更点として「太陽光発電パネル等は廃止しました」と書いています。
対象になるのは既存住宅で、新築住宅と法人の申請は対象外です。区内に住民登録がある個人が、区内に店舗や営業所を置く施工業者と契約して工事することが共通条件になります。
補助を受けられるのは、同じ年度内で申請者1人につき1回です。複数のメニューを申請する場合は、書類をすべてそろえてから出します。
共通条件は10項目あります。申請する建物が建築基準法令に適合していること、特別区民税・都民税の滞納がないこと、申請する工事と同じ工事で区の他の補助金を受けていないことなどが並びます。
建物に申請者以外の所有者の部分がある場合は、すべての所有者の承諾をあらかじめ得ていることも条件です。二世帯住宅や共有名義の家では、契約の前にここを確かめることになります。
屋根の条件は、太陽光を載せている家にも関係します。パネルや太陽熱温水器の設置箇所を除いたうえで、残りを全面施工することが求められています。
屋根の高反射改修では、塗料のラベルや、屋根材の仕様が分かるラベルが読み取れる写真と、施工完了証明書の提出も求められます。塗装だけでなく、葺き替えとカバー工法も同じ単価の対象です。
窓の断熱改修は、二重窓・二重サッシの取付けと複層ガラスの取付けが対象です。複層ガラスは環境共創イニシアチブ(SII)または北海道環境財団に登録されている製品であることが条件になります。
中心になるのは東京都の助成
既存住宅なら太陽光は3.75kW以下で15万円/kW、3.75kW超で12万円/kW、蓄電池は10万円/kWhです。世田谷区では金額のほとんどがこの層から出ます。
太陽光と蓄電池は別々の事業なので、どちらか一方だけでも申請できます。単価の区切りはシステム全体の出力で決まり、3.75kWを超えると12万円/kWがシステム全体に掛かります。
事前申込は令和8年5月29日に始まり、交付申請兼実績報告の受付は令和8年6月30日からです。提出の期限は、事前申込受付日から1年以内(事前申込有効期限)か令和11年3月30日のいずれか早い日までで、この有効期限は延長できません。
太陽光が無い住宅に蓄電池だけを入れる場合も対象になりますが、条件が付きます。実施要綱は、別表に掲げる再生可能エネルギー電力メニューを契約し、その電力がその住宅に供給されている場合に限る、と定めています。
別表の電力メニューは、東京都エネルギー環境計画書制度のメニュー別一覧表に載っているもののうち、計画値の再エネ利用率が100.00%のものです。世田谷区の再エネでんきの切替キャンペーンとは別の制度ですが、契約先の選び方は重なります。
国の枠は蓄電池だけで、条件が付く
国の枠で既存の家が使えるのは、みらいエコ住宅2026事業のリフォームの蓄電池96,000円/戸です。太陽光発電設備の設置工事は対象になりません。
要件化工事は、外皮に面する開口部を持つ1つの居室で、あらかじめ定められた組み合わせで行う工事です。蓄電池はその工事と同じ住宅で行う場合に96,000円/戸が付く仕組みで、蓄電池だけを入れる工事では申請できません。
対象になる住宅は、平成28年12月31日以前に新築されたものです。戸建てと共同住宅の別は問われませんが、登記で住宅以外に分類されている建物や、いま住宅以外の用途で使っている建物は除かれます。
国の枠の全体像と新築の場合の金額は国の補助金の記事にまとめています。市区の制度が無い自治体での組み立て方は、さいたま市の記事も同じ形です。
区にある別の支援
区は薄型パネルの実証事業と、電力プランの切替キャンペーンを持っています。実証事業は設置費の一部を補助する制度ですが、参加募集は令和8年8月21日で締め切られました。切替キャンペーンは設置費への補助ではありません。
実証事業の補助額は太陽光モジュールの公称最大発電出力1kWあたり4万円で、上限は20万円です。応募しても設備導入や補助金の交付が保証されるものではない、と区は明記しています。
区が挙げる薄型パネルの特徴は、従来型の約4分の1から3分の1程度の重さであること、壁面や曲面に設置できること、架台を使わず接着で施工できる場合があることです。ガラスを使わないため、廃棄のときに一般廃棄物として扱えるとも説明されています。
対象は、屋根の形状や耐荷重の制約、防水性能の維持の観点から従来型の設置が難しい住宅です。瓦屋根の住宅は仕様上の理由で対象外とされています。
切替キャンペーンの還元額や条件は事業者ごとに違い、予算の進み方で早く終わる場合があります。こちらは電気料金の契約に対する支援で、設置費への補助ではありません。
実証事業は設置費の一部を補助する制度でしたが、募集を終えています。これから設置する場合、太陽光と蓄電池の費用は都と国の枠で見ることになります。
申請の順番と期限
都の助成は契約の前に事前申込、区のエコ住宅補助金は工事契約の後に事前登録です。都は契約を結んでからでは間に合わず、区も工事を終えてからでは間に合いません。

都の助成は、太陽光も蓄電池も契約より前に事前申込を出します。手引きには「事前申込前に契約締結されているものは助成対象外となりますので、必ず事前申込を行い、事前申込受付日以降に契約締結をしてください」と書かれています。
契約日が令和8年4月1日から6月30日までの場合だけ、特例として契約のあとでも事前申込が認められ、その受付期限は令和9年3月31日です。蓄電池の事業も交付要綱第8条で同じ順番を定めています。
区の後期受付は令和8年10月1日から始まる予定で、対象になるのは工事完了日が令和8年9月1日から令和9年1月31日までの工事です。前期に事前登録をした人も、後期に申請するなら登録をやり直すことになります。
前期に確保していた予算枠は令和8年8月31日で失効しています。資材の不足や納品の遅れで工事完了が後ろにずれた場合も、後期の工事期間の要件を満たせば後期で申請できると区は案内しています。
申請は電子申請だけで、窓口では受け付けていません。申請者・契約者・支払者が異なる場合は受け付けられず、領収書の宛名も申請者名にそろえる必要があります。
区の手引きは注意点として「国や東京都の補助事業との併用は可能です」と書いています。対象の工事が重ならないため、断熱の工事を区に、太陽光と蓄電池を都に出す組み合わせになります。
東京都内の他の区市町村の状況は東京都のページからたどれます。区ごとの金額と受付状況は東京都の補助金の記事の一覧にまとめています。
よくある質問
- Q. 世田谷区に太陽光や蓄電池の補助金はありますか。
- 戸建ての個人がいま新たに申し込める区の設置補助は、2026年9月20日時点でありません。区のエコ住宅補助金は令和8年度から対象工事を4つに絞り、手引きに「太陽光発電パネル等は廃止しました」と書かれています。定置型蓄電池も、区の特設サイトのFAQで補助対象外と案内されています。なお区は薄型・軽量フレキシブルソーラーの実証事業で設置費の一部(1kWあたり4万円・上限20万円)を補助していますが、参加者の募集は令和8年8月21日で終わっています。
- Q. 区のエコ住宅補助金と東京都の助成は、両方使えますか。
- 区の手引きは「国や東京都の補助事業との併用は可能です」としています。ただし対象の工事が違い、区は窓・ドア・浴槽・屋根の4つ、都は太陽光と蓄電池です。同じ工事で区の他の補助金を受けていないことは、区の共通条件に入っています。
- Q. 屋根に太陽光パネルが載っていても、区の屋根の高反射改修は申請できますか。
- 手引きの条件には、屋根または屋上の施工で、太陽光発電システム・太陽熱ソーラーシステム・太陽熱温水器の設置箇所を除く全面の施工であること、と書かれています。パネルの下は除いたうえで、残りを全面施工することが条件です。塗料や屋根材の日射反射率(近赤外線)が50パーセント以上であることも必要です。
この記事の用語
- kW
- 発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
- kWh
- 電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
- SII
- 国の補助事業の執行を担う一般社団法人。補助対象になる蓄電池の登録製品リストを管理している。 用語集で見る
- 家庭用蓄電池
- 太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る
出典
| 発行元 | ページ名 | 確認日 |
|---|---|---|
| 世田谷区 | 令和8年度 世田谷区エコ住宅補助金 特設サイト | 2026年9月20日 |
| 世田谷区 | 令和8年度世田谷区エコ住宅補助金の手引き(PDF) | 2026年9月20日 |
| 世田谷区 | エコ住宅補助金 リーフレット(PDF) | 2026年9月20日 |
| 世田谷区 | 薄型・軽量フレキシブルソーラー設備等の購入促進に向けた実証事業 | 2026年9月20日 |
| 世田谷区 | 再エネ切替補助金 | 2026年9月20日 |
| 世田谷区(UCHIKARAプロジェクト) | 太陽光パネル・蓄電池の設置 | 2026年9月20日 |
| 東京都環境公社(クール・ネット東京) | 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 | 2026年9月20日 |
| 東京都環境公社(クール・ネット東京) | 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業 | 2026年9月20日 |
| 東京都環境公社(クール・ネット東京) | 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業 実施要綱(PDF) | 2026年9月20日 |
| みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省) | 対象要件の詳細【リフォーム】 | 2026年9月20日 |
| みらいエコ住宅2026事業事務局(国土交通省) | エコ住宅設備の設置【リフォーム】 | 2026年9月20日 |
| 東京都環境公社(クール・ネット東京) | 令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 助成金の手引き(PDF・56頁) | 2026年9月20日 |
| 東京都環境公社(クール・ネット東京) | 令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業 交付要綱(PDF) | 2026年9月20日 |
| 世田谷区 | 省エネ等支援策・助成制度(UCHIKARAプロジェクト特設サイトの案内) | 2026年9月20日 |
| 環境共創イニシアチブ(SII) | DR家庭用蓄電池事業 事業概要 | 2026年9月20日 |
