船橋市の太陽光・蓄電池補助金 県の制度とは重ねて使えない

船橋市の枠は住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金です。太陽光は1.5万円/kWで上限6万円、蓄電池は7万円。県の同種の補助や共同購入支援事業で導入した設備は対象外です。

太陽光パネルを設置した戸建てが並ぶ住宅街
太陽光パネルを設置した戸建て住宅のイメージ。補助制度の条件は自治体や導入方法によって異なります。※画像はイメージです。
目次
  1. 船橋市で使える補助金の全体像
  2. 対象は7つの設備、上限額はそれぞれ違う
  3. 太陽光は1.5万円/kW、6万円で頭打ち
  4. 県の枠と重ねて使うことはできない
  5. 工事が終わってから申請する
  6. 予算の残りと、年度内の期限
  7. 補助を受けた設備は、途中で処分できない

船橋市で使える補助金の全体像

出どころは「国」「千葉県」「船橋市」の3層です。2026年9月17日時点で、設備を買って自分で申請できるのは船橋市の枠と、国のリフォーム向けの枠になります。

国・県・市の3つの窓口と戸建て住宅のイラスト
※画像はイメージです。

太陽光と家庭用蓄電池の補助は、国・県・市で別々の制度です。船橋市で設備を購入して設置する家庭が最初に見るのは、市の枠になります。

図1 船橋市で使える補助金の3層構造(2026年9月17日時点)
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)受付中
蓄電池 96,000円/戸。太陽光発電設備の設置工事は対象外。交付申請は12月31日まで(予算上限に達した時点で終了)
▼ 別々に申請
千葉県
住宅用太陽光発電設備等に係るリース等導入促進事業補助金買う人は申請できない
太陽光 7万円/kW + 蓄電池 12万円。申請するのはリース・PPA事業者
▼ 別々に申請
船橋市
住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金5/1〜令和9年2/26 受付中
太陽光 1.5万円/kW・上限6万円 + 蓄電池 7万円。工事のあとに申請
県の枠はリース・PPAで導入する人に向けたもので、設備を購入した人は申請できない。国の新築向けの枠(ZEH支援事業)は別に受付中で、単年度事業の締切は12月11日17時。

国の枠のうち、既存の住宅に蓄電池を足す工事はみらいエコ住宅2026事業の対象で、額は96,000円/戸です。同じ事業のリフォームの区分では、太陽光発電設備の設置工事は対象外と明記されています。

県の枠は太陽光7万円/kW、蓄電池12万円と単価が大きいものの、補助金を受け取るのはリース・PPA事業者です。県の公式ページには、令和8年9月11日時点で申請額が予算額の25%に達したと掲示されています。

新築でZEHにする場合は国のZEH支援事業があり、個人向けの一般公募は単年度事業が12月11日17時までです。国の枠の全体像は国の太陽光・蓄電池補助金の記事にまとめています。

対象は7つの設備、上限額はそれぞれ違う

太陽光・エネファーム・蓄電池・電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・V2H充放電設備・集合住宅用充電設備の7つです。同じ区分で申請できるのは1人1台までです(集合住宅用充電設備を除く)。

図2 設備ごとの補助金の上限額(2026年9月17日時点)
V2H充放電設備上限額
25万円
経費の1/10
電気自動車・プラグインハイブリッド自動車上限額
15万円
定額
家庭用燃料電池システムエネファーム
10万円
定額
定置用リチウムイオン蓄電システム上限額
7万円
定額
太陽光発電システム上限額
6万円
1.5万円/kW
棒の長さは上限25万円を100%とした比。電気自動車・プラグインハイブリッド自動車は、太陽光発電設備とV2H充放電設備を併設する場合が15万円、太陽光発電設備を併設する場合が10万円。集合住宅用充電設備は上限50万円×基数のため図から外した。出典:船橋市 交付要綱 別表第2。

金額は交付要綱の別表第2に載っています。出力に応じて計算するのは太陽光だけで、ほかは定額か、経費に率を掛ける形です。

エネファームと蓄電池は、過去に市へ補助申請をした日から6年を経過して交換・増設するときに限り、もう一度申請できます。それ以外の設備は、同じ種類の補助を自分または同一世帯の人が二度受けることはできません。

図3 併設の条件は太陽光と蓄電池の両方向にかかる
太陽光パネルを載せた戸建てのイラスト
太陽光だけ(HEMSも蓄電池もなし)
太陽光の補助は受けられない
家庭用蓄電池を置いた戸建てのイラスト
蓄電池だけ
蓄電池の補助も受けられない
太陽光パネルと家庭用蓄電池のある戸建てのイラスト
太陽光+蓄電池
両方の補助が対象になる
太陽光の補助には、申請日までにHEMSか定置用リチウムイオン蓄電システムが設置されていることが要る。蓄電池の補助には、申請日までに住宅用太陽光発電設備が設置されていることが要る(新設・既設を問わない)。※画像はイメージです。

併設の条件は両方向にかかります。太陽光の補助にはHEMS(住宅の電力使用量を見える化して機器を制御する仕組み)か蓄電システムが、蓄電池の補助には太陽光発電設備が、それぞれ申請日までに設置されている必要があります。

太陽光の側は、どちらか一方で足ります。蓄電池を置かない場合でも、ECHONET Lite認証のHEMSを申請日までに設置していれば太陽光の補助は受けられます。

HEMSはコントローラ等が「ECHONET Lite」規格の認証を取得しているものに限られます。蓄電池の側は、国が令和6年度以降に実施する補助事業の対象機器としてSIIに登録されているものが条件です。

太陽光は1.5万円/kW、6万円で頭打ち

太陽光はキロワット数に1.5万円を掛けた額で、上限は6万円です。4kWで上限に届くため、それより大きく載せても補助の額は変わりません。

図4 太陽光4kWと蓄電池1台を入れた場合の計算例
太陽光 4kW
1.5万円 × 4kW
6万円
蓄電池 1台
定額
7万円
合計
市の補助金
13万円
太陽光は上限6万円のため、4kWを超えて載せても補助額はここで止まる。計算に使うキロワット数は、太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値とパワーコンディショナの定格出力の合計値のうち小さい方(小数点以下2桁以下を切り捨て)。出典:船橋市 交付要綱 別表第2。

計算に使う出力は、太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値と、パワーコンディショナの定格出力の合計値のうち小さい方です。この値が10kW未満であることも、補助対象設備の要件に入っています。

太陽電池モジュールには、国際電気標準会議の規格か日本産業規格への適合、電気安全環境研究所の認証、太陽光発電協会JPEA代行申請センターの型式登録のいずれかが要ります。中古品は対象外です。

太陽光の単価は市ごとに差があり、船橋市は1.5万円/kWです。県内の他の市の単価は千葉県の補助金の整理に一覧でまとめています。

県の枠と重ねて使うことはできない

太陽光と蓄電池は、自分または同じ世帯の人が県の同種の補助を受けていないことが条件です。県の共同購入支援事業で購入した設備も対象になりません。

図5 市の補助を受けられる場合と、受けられない場合(太陽光・蓄電池)
受けられる
自分で購入して設置した対象
既設の太陽光に蓄電池を足した対象
国の補助金を使った経費から控除
受けられない
県のリース・PPAの補助を受けた対象外
県の共同購入支援事業で購入した対象外
同じ種類の設備で市の補助を受けた対象外
太陽光発電システムと定置用リチウムイオン蓄電システムの要件。エネファームと蓄電システムは、過去に市へ補助申請をした日から6年を経過して交換・増設する場合を除く。出典:船橋市 交付要綱 別表第1・第4条。

県の枠は、リース・PPAで導入する人と、共同購入で買う人に向けたものです。共同購入で買った設備と県の同種の補助を受けた設備は、別表第1で市の対象から外れます。リース・PPAは理由が別で、設備の所有者がリース・PPA事業者になるため、申請者が自ら費用を負担し所有することという要綱第4条第1項(2)の要件を満たしません。

国の補助金との関係は、併用を禁じるのではなく経費から差し引く形です。設置に係る経費から国等の補助金額を引いた額が別表第2の定額を下回るときは、その額(1,000円未満の端数は切り捨て)が補助金になります。

補助対象経費からは、申請代行手数料・印紙代・長期保証費などの事務諸経費と、消費税および地方消費税を除きます。見積書の総額がそのまま対象経費になるわけではありません。

太陽光の申請者には、もうひとつ条件があります。発電した電気について電気事業者と特定契約(FITの電力受給契約)を結ぶ人であることが、交付要綱の第4条に書かれています。

発電した電力の権利の一部または全部を他者に譲渡しないことも、別表第1の要件です。FITを使わない設計を厚く補助する川崎市の補助金の記事とは、考え方が逆になります。

工事が終わってから申請する

船橋市は事後申請です。申請する年度内に工事を始め、申請日までに設置を終えて、書類一式がそろってから提出します。受付は日ごとの先着順です。

設備を決めてから工事・支払い・書類提出・決定までの5場面のイラスト
※画像はイメージです。
図6 申請から交付可否の決定までの流れ
1設備と施工会社を決める県の共同購入・リースを使わない設計にする
2工事を始める申請する年度内に着工していること
3設置完了・支払い契約書と支払いを証する書類の写しを残す
4申請書類一式を提出設置状況の写真と設置位置の図面が要る
5交付可否の決定販売者や電気事業者に確認が入ることがある
申請は日ごとの先着順で、当該年度の2月末日(土・日・祝日を除く)まで受け付ける。予算額を超えた日に受け付けた分は、抽選で補助金交付対象者の優先順位が決まる。出典:船橋市 交付要綱 第7条・第8条。

交付決定を待ってから着工する自治体とは、順番が逆になります。工事を先に進められる代わりに、書類がそろって審査が終わるまで補助金の額は確定しません。

太陽光の審査では、設置したモジュールの枚数を写真で確認すると市が明記しています。枚数のすべてが確認できない場合は申請を受け付けられないとされているため、撮影の段取りを施工会社と先に決めておきます。

市税の滞納がないこと、申請日までにその住宅に住んで市の住民基本台帳に記録されていることも、申請者の要件に入ります。

予算の残りと、年度内の期限

受付は令和9年2月26日までですが、予算額に達した日で終わります。9月11日現在の公表値では、太陽光の枠は予算720万円に対して残額242万1千円です。

図7 予算額と残額(令和8年9月11日現在の公表値)
太陽光発電システム以外予算残額
1,807万円
2,845万円中
太陽光発電システム予算残額
242万1千円
720万円中
棒の長さは、残額の多い「太陽光発電システム以外」の1,807万円を100%とした比。残額には基準日がある。申請の前に公式ページで最新の数字を見る。出典:船橋市 令和8年度 新着情報・予算額。

太陽光の枠と、それ以外の設備の枠は別々に管理されています。残額は市の「新着情報・予算額」のページで公表され、9月11日現在の数字が最新です。

予算額に達した日、または超えた日をもって受付を終了できると要綱に書かれています。超えた日に受け付けた分は抽選になるため、最終日まで枠が残っている前提では動かないほうが安全です。

図8 年度内に間に合わせる期限
4/1
令和8年度の概要を掲載
受付開始と書類の公表は5/1と告知
5/1
申請の受付開始
日ごとの先着順で受け付ける
9/11
太陽光の残額を公表
予算720万円に対し242万1千円
2/26
申請の最終日
予算額に達する日のいずれか早い日まで
4/1・5/1・9/11は令和8年、2/26は令和9年の日付。要綱では当該年度の2月末日(土・日・祝日を除く)までの受付と定めている。

残額の数字には基準日があり、いま出ているのは9月11日現在の公表値です。年度の初めに調べた条件のまま秋に動くと、枠が閉じていることがあります。

補助を受けた設備は、途中で処分できない

交付要綱には処分の制限があり、工事が完了した日の翌日から決められた期間は設備を処分できません。太陽光は17年で、ほかの設備より長く設定されています。

図9 設備を処分できない期間(単位:年)
17
太陽光
6
エネファーム
6
蓄電池
5
V2H
4
EV・PHV
棒の高さは17年を100%とした比。工事が完了した日の翌日から起算する。集合住宅用充電設備は5年。出典:船橋市 交付要綱 第9条。

期間内に売却・撤去・譲渡をするときは、設備処分承認申請書を市長に提出して承認を受けます。承認を受けずに処分すると、交付決定の取消しや補助金の返還を求められることがあります。

太陽光の17年は、減価償却資産の耐用年数を勘案した期間として要綱に定められています。屋根の葺き替えや住み替えの予定がある家では、工事の順番を先に考えておきます。

県内の他の市町の制度は千葉県の補助金の整理に、市町ごとの一覧は千葉県の補助金・制度ページにあります。制度の記事全体は補助金・制度の一覧から見られます。

併設の条件と事後申請の流れは千葉市の補助金の記事でも扱っています。設置費用の回収年数は太陽光は何年で元が取れるかの記事、蓄電池を使える期間は蓄電池の寿命の記事、V2Hの仕組みはV2Hの記事にまとめました。

金額についての注記
※本記事は 2026年9月17日時点 で公開されている制度の内容にもとづきます。制度は年度ごとに改定されます。
※いずれの制度も予算の上限に達した時点で受付が終了する場合があります。記事中で「受付中」としたものが、閲覧時点では終了していることがあります。
※実際の設置費用と補助額は、住宅の条件・選ぶ機器・施工会社によって異なります。記載の金額は制度上の単価や上限であり、受け取れる額を保証するものではありません。

よくある質問

Q. 太陽光だけを載せる計画でも船橋市の補助を受けられますか
太陽光発電システムの補助には、申請日までにHEMSか定置用リチウムイオン蓄電システムが住宅に設置されていることという要件がかかります。太陽光だけを載せた状態ではこの要件を満たしません。逆に蓄電システムの補助にも、申請日までに住宅用太陽光発電設備が設置されていること(新設・既設を問わない)という条件がつきます。
Q. 千葉県の共同購入支援事業で買った設備は、市の補助の対象になりますか
対象になりません。交付要綱の別表第1に、県が実施する太陽光発電等の共同購入支援事業により購入したものでないこと、県の他の事業等で同種設備の補助を受けていないことが書かれています。県のリース等導入促進事業で導入した設備は、所有者がリース・PPA事業者になるため、申請者が自ら費用を負担し所有するという要綱第4条の要件を満たさず、市の補助は受けられません。
Q. 国の補助金と一緒に使えますか
併用はできますが、設置に係る経費から国等の補助金額を差し引いた額が市の補助対象経費になります。差し引いた額が別表第2の定額を下回るときは、その額(1,000円未満の端数は切り捨て)が補助金の額です。みらいエコ住宅2026事業の側にも、国費が充当されているものを除き地方公共団体の補助制度と併用可能と書かれています。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
FIT
太陽光などでつくった電気を、国が決めた価格で一定期間(住宅用は10年)電力会社が買い取る仕組み。 用語集で見る
交付決定
補助金を出すという行政の正式な決定。通知書の日付が基準になり、これより前に工事を始めると対象外になる制度が多い。 用語集で見る
SII
国の補助事業の執行を担う一般社団法人。補助対象になる蓄電池の登録製品リストを管理している。 用語集で見る
パワーコンディショナ
太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
V2H
電気自動車の電池から家に電気を送る設備(Vehicle to Home)。車を大きな蓄電池として使う考え方。 用語集で見る
家庭用蓄電池
太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る
PPA
事業者が家の屋根に太陽光を設置して所有し、家庭はその電気を買う仕組み。初期費用がかからない代わりに設備は自分のものではない。 用語集で見る

出典