千葉市の太陽光・蓄電池補助金 太陽光だけでは受けられない

千葉市の枠は住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金です。太陽光は1万円/kWで上限4.5万円、蓄電池は7万円。太陽光の補助には蓄電池かV2H、蓄電池の補助には太陽光が申請日までに要ります。

夕方の屋根の上部に設置した太陽光パネル
屋根の上部にまとめて設置した太陽光パネル。千葉市の補助は出力4.5kW分までが上限になる(編集部取材の設置例)。
目次
  1. 千葉市で使える補助金の全体像
  2. 補助の対象は5つの設備
  3. 太陽光は1万円/kW、4.5万円で頭打ち
  4. 太陽光だけ、蓄電池だけでは受けられない
  5. 工事が終わってから申請する
  6. 期限と、残っている受付枠

千葉市で使える補助金の全体像

出どころは「国」「千葉県」「千葉市」の3層です。2026年9月11日時点で、設備を買って設置する人が自分で申請できるのは千葉市の枠だけになっています。

太陽光と家庭用蓄電池の補助は、国・県・市で別々の制度です。千葉県は3層のうち県の枠が独特で、住宅所有者ではなくリース・PPA事業者が申請する形になっています。

図1 千葉市で使える補助金の3層構造(2026年9月11日時点)
DR家庭用蓄電池事業2026年5月29日に終了
1申請あたり上限60万円。戸建ての太陽光への国の直接補助は現在なし
▼ 別々に申請
千葉県
住宅用太陽光発電設備等に係るリース等導入促進事業補助金買う人は申請できない
太陽光 7万円/kW + 蓄電池 12万円。申請するのはリース・PPA事業者
▼ 別々に申請
千葉市
住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金5/1〜1/29 受付中
太陽光 1万円/kW・上限4.5万円 + 蓄電池 7万円。工事のあとに申請
国の枠は予算に達して終了している。県の枠は受付中だが、申請者はリース・PPA事業者で、設備を購入した人は申請できない。

国の枠は「DR家庭用蓄電池事業」でした。DRとは電力の需要に合わせて蓄電池の充放電を調整する仕組みのことで、上限は1申請あたり60万円です。当初の公募期間は12月10日までとされていましたが、公式サイトには2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募を終了したと掲示されています。

県の枠は太陽光7万円/kW、蓄電池12万円で、単価だけを見れば市より厚いものです。ただし県の公式ページには、補助金を受け取るのはリース・PPA事業者で、リース料金等の低減を通じて利用者に還元される仕組みだと書かれています。設備を購入して設置する家庭が直接申請する制度ではありません。

対象になるのは、太陽光発電設備と蓄電池のいずれもリースまたはPPAでセットで県内の住宅に設置する事業で、どちらか一方だけでは使えません。交付決定の前に事業に着手していないことが条件で、受付期間は令和8年6月26日から令和8年12月18日までと、工事のあとに出す市の事後申請とは順番も期限も異なります。

補助の対象は5つの設備

太陽光・ZEH+・エネファーム・蓄電池・窓の断熱改修の5つです。金額の幅は4.5万円から10万円で、複数の設備をまとめて申請できます。

図2 設備ごとの補助金額(令和8年度・2026年9月11日時点)
ZEH+ゼッチプラス
10万円
定額
家庭用燃料電池システムエネファーム
10万円
定額
窓の断熱改修上限額
8万円
経費の1/4
定置用リチウムイオン蓄電システム家庭用蓄電池
7万円
定額
太陽光発電システム上限額
4.5万円
1万円/kW
棒の長さは10万円を100%とした比。実際にかかった経費がこの額より少ない場合は、その額(千円未満切捨て)が補助金額になる。出典:千葉市 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金のご案内(2026年9月11日確認)。

5つのうち太陽光と窓の断熱改修は、既築住宅に設置する場合だけが対象です。新築や建売を買って入居する家では、この2つは申請できません。

図3 対象になる住宅の違い
既築のみが対象
太陽光発電システム1万円/kW・上限4.5万円
窓の断熱改修経費の1/4・上限8万円
居住の条件着工の前日までに申請者がその住宅に居住
新築・建売・既築が対象
ZEH+10万円
エネファーム10万円
定置用リチウムイオン蓄電システム7万円
左の2つは、住み始めたあとに設備を足す家が対象になる。中古の戸建てを買って改修する場合も、居住したあとの着工でないと対象にならない。

複数の設備を同時に申請することはできます。市の別枠である次世代自動車版(電気自動車・プラグインハイブリッド自動車・V2H充放電設備)と合わせて出すことも認められています。

補助対象経費は、経費(税抜)から国等の補助金相当額を引いた金額です。国の補助を受けた設備では、その分だけ市の計算のもとになる額が下がります。

同じ住宅で過去に同じ設備名の市の補助を受けている場合は、原則として重ねて申請できません。ただしエネファームと蓄電池は、設備の取得から6年以上が経過していれば、この制限から外れます。

太陽光は1万円/kW、4.5万円で頭打ち

算定式は「1万円 × 太陽電池モジュールの最大出力値」です。最大出力値が4.5kWを超える場合は4.5kWとして計算するため、補助金額は4.5万円で止まります。

図4 出力が4.5kWを超えたあとの扱い
4.5kWまで
1万円/kW
最大出力値にそのまま単価を掛ける
4.5kWを超えると
4.5万円が上限
4.5kWを最大出力値として計算する
最大出力値はkW単位で小数点以下第3位を四捨五入し、補助金額は千円未満を切り捨てる。パネルを増やしても、右側に入った時点で市の補助額は動かない。

令和7年度からの変更点として、市は算定式・最大出力値・上限額を変えたと案内しています。単価に掛ける値は太陽電池モジュールの最大出力値で、設備そのものの要件としては、公称最大出力とパワーコンディショナの定格出力の小さい方が10kW未満であることが条件になります。

設備の仕様には規格の条件も付きます。太陽電池モジュールが国際電気標準会議の規格か日本産業規格に適合しているか、一般財団法人電気安全環境研究所の認証を受けているか、太陽光発電協会のJPEA代行申請センターで型式登録されているか、このいずれかに当たる必要があります。

太陽光だけ、蓄電池だけでは受けられない

太陽光の補助には申請日までに蓄電池かV2Hが、蓄電池の補助には申請日までに太陽光が設置されていることが要ります。片方だけの家は、どちらの枠にも入りません。

図5 どの組み合わせなら申請できるか
太陽光パネルを載せた戸建てのイラスト
太陽光だけ
太陽光の枠は申請できない
家庭用蓄電池を置いた戸建てのイラスト
蓄電池だけ
蓄電池の枠は申請できない
太陽光パネルと家庭用蓄電池のある戸建てのイラスト
両方そろう
それぞれの枠を申請できる
太陽光の枠は蓄電池の代わりにV2H充放電設備でも要件を満たす。判定されるのは申請日の時点で設置されているかどうかで、同じ工事でまとめて入れる必要はない。※画像はイメージです。

要件が向き合う形になっているため、すでに太陽光がある家に蓄電池を足す場合は、蓄電池の7万円が申請できます。逆にすでに蓄電池かV2Hがある家に太陽光を足す場合は、太陽光の枠が申請できます。

図6 太陽光と蓄電池でかかる要件の違い
太陽光発電システム
対象住宅既築のみ
先に要る設備蓄電池またはV2H充放電設備
工事の期間開始日・完了日が2/1〜1/29
居住着工の前日までに居住
定置用リチウムイオン蓄電システム
対象住宅新築・建売・既築
先に要る設備住宅用太陽光発電設備
工事の期間開始日・完了日が4/1〜1/29
機器の登録国の補助事業の対象機器としてSIIに登録
工事の期間の日付は、開始が令和8年、完了が令和9年1月29日。太陽光だけ2月1日以降まで遡って認められる。

蓄電池は、国が令和6年度以降に実施する補助事業の補助対象機器としてSII(環境共創イニシアチブ)に登録されている機種であることが条件です。型番が一覧にあるかどうかは、契約の前に施工会社へ確認しておく順番になります。

全設備に共通の要件もあります。申請者が費用を負担して設備を所有していること、その住宅に申請者が居住していること、市に納付すべき税の滞納がないこと、設備が未使用品であることの4つが並びます。

所有していることが条件ですが、所有権留保付きローンや残価設定型の契約による購入、リースによる導入も所有に含まれます(ZEH+を除く)。住宅が共有名義の場合や申請者以外が所有している場合は、すべての所有者から同意を得て、申請書に自署をもらう形になります。

工事が終わってから申請する

千葉市は事後申請です。工事・引渡し・支払いを済ませてから交付申請書兼実績報告書を出し、原則として引渡しから2か月以内に提出します。

図7 申請から振込までの流れ
1工事の前に現況写真太陽光と窓は設置前の写真が要る
2工事・引渡し・支払い領収書の宛名に申請者が入っていること
3交付申請書兼実績報告書引渡しから2か月以内が原則
4受付・審査約8週間
5交付決定兼額確定通知書補助金額はここで確定する
6交付請求書を提出通知書の送付日から約2週間が期限
7口座振替で受け取る約4週間
審査は市に書類を出した日ではなく、不備・不足がないと市が確認した日から始まる。申請が集中する時期は目安に1〜2週間加わることがある。

交付決定を待ってから着工する自治体とは、順番が逆になります。工事を先に進められる代わりに、書類が整うまで補助金額は確定せず、先着順の受付枠が埋まれば申請そのものができなくなります。

申請方法は、オンライン申請・郵送・窓口の3つです。オンライン申請にはマイナンバーカードに格納された公的個人認証が要り、代理申請はできません。手続きを施工会社などに代行してもらう場合は、手続代行届を添えます。

先着順とはいえ、同じ日に受け付けた分で募集予算額を超えた場合は抽選になります。交付決定兼額確定通知書は交付決定と補助金額の確定を1通で知らせる書類で、これが届いてから交付請求書を出す流れです。

期限と、残っている受付枠

受付は令和8年5月1日から令和9年1月29日まで、予算がなくなり次第終了します。8月20日更新の公表値では、蓄電池が約360件、太陽光が約155件の枠を残しています。

図8 年度内に間に合わせる期限
2/1
太陽光の工事開始の起点
これより前に始めた工事は対象外
4/1
蓄電池・エネファームの起点
工事の開始日がこの日以降
5/1
申請の受付開始
先着順・予算上限に達するまで
1/29
工事完了と申請の最終日
この日までに完了し、必着で提出
3/10
交付請求書の最終期限
通知書の送付日から約2週間が原則
2/1と4/1は令和8年、1/29と3/10は令和9年の日付。同じ日の受付で募集予算額を超えた場合は、抽選で補助対象者が決まる。

残りの枠は市が公式ページで公表しています。8月20日更新の掲載値は、太陽光が約155件/約200件、蓄電池が約360件/約460件、エネファームが約110件/約150件、ZEH+が約65件/約80件、窓の断熱改修が約70件/約100件です。

図9 残り受付目安と補助予定件数(2026年8月20日更新の公表値)
定置用リチウムイオン蓄電システム残り受付目安
約360件
約460件中
太陽光発電システム残り受付目安
約155件
約200件中
エネファーム残り受付目安
約110件
約150件中
窓の断熱改修残り受付目安
約70件
約100件中
ZEH+残り受付目安
約65件
約80件中
棒の長さは、残り受付目安がいちばん多い蓄電池の約360件を100%とした比。件数は市が随時更新するため、申請の前に公式ページで最新の数字を見る。出典:千葉市 住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金(住宅向け)。

確認する順番は3つです。まず市の公式ページで残り受付目安を見て、次に入れようとしている蓄電池の型番がSIIの登録機種かを施工会社に確かめます。最後に、太陽光を入れるなら蓄電池かV2Hが申請日までに設置済みになるよう工事の順番を組みます。

窓口は市の環境局環境保全部脱炭素推進課で、公式ページにはパンフレットと交付要綱、よくある質問のPDFが置かれています。金額や期限の判断に迷うところは、この3つを先に開いておくと早く片づきます。

県内の他の市町の制度は千葉県の補助金の整理にまとめています。市町ごとの一覧は千葉県の補助金・制度ページから見られます。

蓄電池をどれくらいの期間使えるかは蓄電池の寿命の記事で扱っています。設置費用をどれくらいの年数で回収できるかの考え方は太陽光は何年で元が取れるかの記事にまとめています。

金額についての注記
※本記事は 2026年9月11日時点 で公開されている制度の内容にもとづきます。制度は年度ごとに改定されます。
※いずれの制度も予算の上限に達した時点で受付が終了する場合があります。記事中で「受付中」としたものが、閲覧時点では終了していることがあります。
※実際の設置費用と補助額は、住宅の条件・選ぶ機器・施工会社によって異なります。記載の金額は制度上の単価や上限であり、受け取れる額を保証するものではありません。

よくある質問

Q. 太陽光だけを設置した家は、千葉市の補助を受けられませんか
太陽光発電システムの補助を受けるには、申請日までに定置用リチウムイオン蓄電システムかV2H充放電設備が住宅に設置されている必要があります。太陽光だけを設置した状態では、この要件を満たしません。逆に蓄電システムの補助にも、申請日までに住宅用太陽光発電設備が設置されていることという要件がかかります。
Q. 工事を始める前に申請しておく必要はありますか
千葉市の補助金は事後申請です。工事と引渡しが終わり、代金を支払ってから交付申請書兼実績報告書を提出します。原則として設備の引渡しから2か月以内の申請とされているため、早すぎても遅すぎても要件から外れます。ただし太陽光と窓の断熱改修は設備の設置前の現況写真が必要なので、工事の開始前に撮影しておきます。
Q. 国や県の補助金と一緒に使えますか
併用はできますが、経費(税抜)から国等の補助金相当額を引いた金額が千葉市の補助対象経費になります。県の枠は設備を買う人ではなくリース・PPA事業者が申請する制度なので、購入して設置する場合に県から直接受け取ることはありません。国の蓄電池向けの補助は2026年5月29日に公募が終了しています。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
交付決定
補助金を出すという行政の正式な決定。通知書の日付が基準になり、これより前に工事を始めると対象外になる制度が多い。 用語集で見る
SII
国の補助事業の執行を担う一般社団法人。補助対象になる蓄電池の登録製品リストを管理している。 用語集で見る
パワーコンディショナ
太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
V2H
電気自動車の電池から家に電気を送る設備(Vehicle to Home)。車を大きな蓄電池として使う考え方。 用語集で見る
DR
電力の需要と供給に合わせて、家庭の蓄電池などの充放電を調整する仕組み。国の蓄電池補助の参加条件になっていた。 用語集で見る
家庭用蓄電池
太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る
PPA
事業者が家の屋根に太陽光を設置して所有し、家庭はその電気を買う仕組み。初期費用がかからない代わりに設備は自分のものではない。 用語集で見る

出典