太陽光・蓄電池のJC-STAR★1 家庭用は2027年10月の接続申込みから

2027年10月以降に接続を申し込む家庭用など低圧の太陽光・蓄電池は、パワコンなどIP通信を使う制御機器にJC-STAR★1の取得製品が条件になります。設置済み設備の交換を求める記載はありません。

住宅の外壁に取り付けた横長のパワーコンディショナと台座に据えた家庭用蓄電池のイメージ
太陽光・蓄電池の機器の設置イメージ。特定製品やJC-STARの取得を示すものではありません。※画像はイメージです。
目次
  1. 何が決まったか
  2. JC-STARとは何か
  3. なぜ太陽光と蓄電池が対象になったか
  4. いつ、どの設備から当てはまるか
  5. 蓄電池の一部の補助では、もう条件になっている
  6. これから買う人が確かめること

何が決まったか

太陽光発電と蓄電池を電力網につなぐときの決まりに、JC-STAR★1を取得した製品の使用が加わります。家庭用を含む低圧(50kW未満)は2027年10月、高圧・特別高圧は2027年4月以降の接続の申込みからです。

図1 決まるまでの流れ(2026年10月24日時点)
2025/3/25
JC-STAR★1の申請受付が始まる
IPA(情報処理推進機構)の制度
2025/12/16
第20回グリッドコード検討会
太陽光・蓄電池の要件化を決める
2026/3/31
第21回で規程の改定案
資源エネルギー庁が提示
2026/8/21
第22回の資料で第21回の議論を整理
提案どおり要件化していく。規程類の改定へ
2026/10/23
エネルギー白書2026を閣議決定
要件化の決定を記載
2027/10
低圧(50kW未満)で適用
高圧・特別高圧は2027年4月
グリッドコード検討会は、電力広域的運営推進機関が開く、発電設備を電力網につなぐときの技術の決まりを話し合う会議。出典:資源エネルギー庁「エネルギー白書2026」第2部第3章、同庁 第21回グリッドコード検討会 資料4、電力広域的運営推進機関 第22回 資料3(2026年10月24日確認)。

2026年10月23日に閣議決定された「エネルギー白書2026」(令和7年度エネルギーに関する年次報告)は、2025年12月のグリッドコード検討会で、太陽光発電と蓄電池にJC-STAR★1を取得した製品の使用を要件化すると決めたことを記しています。グリッドコードは、発電設備を電力網につなぐときに守る技術的な決まりのことです。

2026年3月31日の第21回検討会では、資源エネルギー庁が規程の改定案を示しました。8月21日の第22回の資料は、第21回の議論を「提案通りに要件化していくことで整理された」とまとめ、今後は規程類の改定に進むとしています。

図2 家庭に関係する決まりの中身
低圧(50kW未満)
2027年10月
以降の契約申込みから
高圧・特別高圧
2027年4月
以降の契約申込みから
対象の機器
PCS・EMS等
通信機能を持つ制御システム
求める水準
★1
JC-STARの最低限の基準
太陽光発電と蓄電池で同じ時期。出典:資源エネルギー庁 第21回グリッドコード検討会 資料4「分散型電源のサイバーセキュリティ対策要件化(まとめ)」(2026年10月24日確認)。

住宅用の太陽光(10kW未満)は、資料が低圧とする50kW未満の区分に入ります。対象は太陽光と蓄電池の両方で、パワーコンディショナ(PCS。直流の電気を家で使える交流に変える機器)やEMS(電気の使い方を管理する機器)など、通信機能を持つ制御システムです。

JC-STARとは何か

JC-STARは、ネットにつながる機器(IoT製品)のセキュリティ機能を共通のものさしで確かめ、ラベルで示す国の制度です。IPAが運営し、★1から★4までの段階があります。

図3 JC-STARの段階と確かめ方
★3・★4
独立した第三者が評価
政府機関や重要インフラ事業者などの重要なシステムでの利用を想定
▼ 下の段の要件に足していく
★1・★2
メーカーが自ら評価して宣言太陽光・蓄電池は★1
★1はIoT製品に共通の最低限の要件。★2は製品の種類ごとの要件を追加
★1・★2は、メーカーが決められた手順で自己評価した結果をもとにIPAがラベルを付ける自己適合宣言方式。出典:IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」(2026年10月24日確認)。

IPAによると、★1と★2は、メーカーが決められた基準と手順で自己評価したチェックリストに基づいて、IPAがラベルを付ける方式です。適合に疑いが出たときはIPAが検査を行い、結果によってはラベルが取り消されることもあるとしています。

太陽光と蓄電池に求められるのは、いちばん下の★1です。IPAは、ラベルは最低限満たしてほしい水準に達していることを確かめるもので、完全なセキュリティを保証するものではないと注意しています。

図4 適合ラベルで確かめられること
二次元バーコード
製品情報ページ
IPAが管理するページが開く
ラベルの表示
レベルと登録番号
製品ごとに番号がある
ステータス
有効か失効か
今も有効かが分かる
有効期間
原則2年
延長の手続きで延びる
ラベルは製品本体、パッケージ、マニュアル、パンフレット、ホームページなどに付く。出典:IPA「適合ラベルの確認方法」(2026年10月24日確認)。

製品情報ページでは、ラベルの対象になっている製品型番、アップデートや脆弱性(ぜいじゃくせい。悪用されうる弱点)の情報、問い合わせ先も確かめられます。IPAは、購入するときにステータスが「有効」(または「失効猶予」)になっているかを確かめるよう勧めています。

なぜ太陽光と蓄電池が対象になったか

エネルギー白書2026は、太陽光発電の監視装置の弱点が悪用され、サイバー攻撃の踏み台にされた事案を挙げています。資源エネルギー庁は、今後も多くの接続が見込まれるため早く対応する必要があるとしています。

図5 対象になる機器と、ならない機器
対象になる
範囲通信機能を持つ制御システムのうち、IP通信を使う機器
例パワーコンディショナ(PCS)、EMS
対象外の機器でも発電設備を制御する機能があるか、ゲートウェイ等を介さず主要な機器につながれば対象
対象から外れる
一般用電気工作物インターネット回線につなぐルータ等
すべての設備ゲートウェイ等を介する監視カメラ等
ルータ等を対象から外すのは、改定案では一般用電気工作物の場合。IP通信はインターネットで使われる通信の方式。出典:資源エネルギー庁 第21回グリッドコード検討会 資料4(系統連系技術要件ガイドラインの改定案)(2026年10月24日確認)。

白書は、太陽光や蓄電池などの分散型電源(家や事業所に分かれて置かれる発電・蓄電の設備)の活用が進む一方で、太陽光発電の監視装置の脆弱性が悪用された事案が起き、サイバーセキュリティ上のリスクが指摘されているとしています。資源エネルギー庁の資料は、諸外国でも分散型電源への対策が検討されていることを挙げています。

資源エネルギー庁の改定案は、対象をIP通信を使う制御機器に絞っています。一般用電気工作物では、インターネット回線につなぐルータ等は対象から外れますが、対象外の機器でも、発電設備を制御する機能を持つ場合や、ゲートウェイ等を介さずにパワコンなど主要な機器につながる場合は対象になると書かれています。自分の設備が一般用電気工作物にあたるかは、販売・施工会社に確かめます。

図6 家庭の設備ごとの適用開始時期
太陽光発電(低圧)
2027年10月
PCS・EMS等
蓄電池(低圧)
2027年10月
PCS・EMS等
燃料電池
2028年4月
PCSを使う形式
燃料電池は、必要に応じて経過措置を入れることも検討するとされている。出典:資源エネルギー庁 第21回グリッドコード検討会 資料4(2026年10月24日確認)。

家庭用の燃料電池(ガスから電気とお湯をつくる機器)も、PCSを使う形式が2028年4月から対象になります。資源エネルギー庁は、家庭用燃料電池では本体と給湯器の組み合わせの検証や第三者認証が要り、多くのメーカーで★1の製品の導入が2028年4月までに終わる見込みだと説明しています。

いつ、どの設備から当てはまるか

改定案では、低圧の太陽光と蓄電池は、2027年10月以降に電力会社へ接続の契約申込みをする案件から当てはまります。すでにつながっている設備に取り替えを求める記載は、公表資料にありません。

図7 設置までの流れと、条件が掛かる場所
1見積り・機種決定パワコン等の型番が決まる
2接続の契約申込み2027年10月以降は★1の製品が条件
3工事設置と配線
4連系・使用開始電力網につながる
契約申込みは、電力網を持つ一般送配電事業者への系統連系(電力網につなぐこと)の申込み。改定案の注に「下記の時期以降に系統アクセスにおける契約申込みを行う案件から適用する」とある。出典:資源エネルギー庁 第21回グリッドコード検討会 資料4(2026年10月24日確認)。

低圧だけ半年遅いのは、メーカーが★1の製品を出したあとも、しばらくは流通の途中に旧製品の在庫が残ると見込まれるためだと、資源エネルギー庁は説明しています。第21回検討会では、自家用電気工作物で500kW以下の、FITやFIPを使わない完全自家消費型の設備や、高圧で受電して低圧と同じパワコンを使う設備について、在庫を理由に低圧と同じ猶予を求める意見も出ましたが、その後の関係者の協議の結果、提案どおりに進めることになったと、第22回の資料に記録されています。

規程類の改定はこれからです。各電力会社の系統連系技術要件(低圧)にも、ガイドラインで求める認証を取得した機器とする一文を足す案が示されており、細かな扱いは改定後の要件で確かめます。

蓄電池の一部の補助では、もう条件になっている

国と東京都の一部の蓄電池の補助では先に条件になっています。SIIの令和8年度の蓄電システム製品登録(ZEH補助事業向け)は★1が必須で、東京都の蓄電池システムの助成も2026年10月1日以降の事前申込はその登録機器に限ります。

図8 蓄電池の補助とJC-STAR(2026年10月24日時点)
国のDR家庭用蓄電池事業
★1が条件
2026年5月29日に公募終了
SIIの蓄電システム製品登録
★1が必須
令和8年度の新規・移行とも
東京都の蓄電池システムの助成
登録機器のみ
2026年10月1日以降の事前申込は令和8年度の登録
対象はBMS・PCS・EMSなど、蓄電システムの主要な制御機器。出典:SII「令和8年度 蓄電システム製品登録公募」・同 公募要領、SII「家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領」、東京都「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業 助成金申請の手引き」(2026年10月24日確認)。

SIIの令和8年度の蓄電システム製品登録では、新規登録と登録移行のどちらも、BMS(蓄電池の状態を管理する装置)、PCS、EMSなどの主要な制御機器にJC-STAR★1の取得が必須になりました。国のDR家庭用蓄電池事業も同じ条件を置いていましたが、2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募を終えています。

東京都の家庭における蓄電池導入促進事業は、蓄電池システム(蓄電池パッケージ)について、2026年10月1日以降に事前申込をする場合、令和8年度にSIIが登録した機器に限るとしています(2026年4月1日〜6月30日に契約した事業などは、それ以前の年度の登録機器も対象)。都の資料にJC-STARの語はありませんが、令和8年度のSIIの登録は主要な制御機器にJC-STAR★1を必須にしています。都の助成の金額や手続きは東京都の補助金の記事、国の枠は国の補助金の記事で整理しています。

これから買う人が確かめること

見積りの製品がIPAの「適合ラベル取得製品リスト」に載っているか、ステータスが有効かを確かめます(型番は各製品の情報ページで照らし合わせる)。設置後は、初期パスワードの変更とファームウェアの更新でラベルの機能を生かします。

購入前に製品資料と見積資料をスマートフォンの情報と照らし合わせる手元のイメージ
購入前に、見積りの製品と製品情報を照らし合わせるイメージ。資料・画面の文字や数字は省略しています。※画像はイメージです。
図9 JC-STARを確かめる手順
1型番を控えるパワコン・蓄電池・EMS
2IPAのリストで探す製品名称で探し、型番は製品情報ページで
3ステータスを見る「有効」かどうか
4「適合予定」に注意取得済みの意味ではない
5設置後の設定パスワード変更と更新
IPAの「適合ラベルの確認方法」「適合ラベル取得製品リスト」をもとに編集部が5つにまとめた(2026年10月24日確認)。

IPAは、申請が受理されて受理番号が通知される前に「JC-STAR適合予定」「適合ラベル取得申請中」などと表記することを認めておらず、仮登録番号の記載がないそうした表記は「不正な表示」にあたるとしています。そうした表記があってもラベルが取れる保証はないとも注意しています。説明を受けたときは、リストの登録番号や製品情報ページで確かめると確実です。

IPAは、ラベル付きの製品でも、推測されにくいパスワードへの変更、ファームウェアの更新、使わない機能を無効にすることを勧めています。サポートが終わるとラベルは失効か取消しになるため、買い替えを考える目安にもなります。パワコンの交換の費用はパワコンの交換費用と寿命の記事、蓄電池の型の違いは家庭用蓄電池の記事で扱っています。

よくある質問

Q. 今ついている太陽光のパワコンも交換しないといけませんか
資源エネルギー庁の改定案は、低圧の太陽光と蓄電池について、2027年10月以降に接続の契約申込みをする案件から適用するとしています。すでにつながっている設備に交換を求める記載は、公表資料にありません。パワコンを取り替えるときの扱いは、規程の改定後に電力会社の要件で確かめます。
Q. JC-STARのラベルが付いていれば安全ですか
IPAは、ラベルは最低限満たしてほしい水準に達していることを確かめるもので、完全なセキュリティを保証するものではないとしています。推測されにくいパスワードへの変更やファームウェアの更新など、付いている機能を正しく使うことを勧めています。
Q. 製品がJC-STARを取っているかはどこで確かめられますか
IPAの「適合ラベル取得製品リスト」で、事業者名・製品名称・レベル・ステータスが確かめられます。ラベルの二次元バーコードから開くIPAの製品情報ページでも、対象の製品型番とラベルが今も有効かが分かります。ページのURLが jc-star.ipa.go.jp/conformance/ で始まることも確かめます。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
FIT
太陽光などでつくった電気を、国が決めた価格で一定期間(住宅用は10年)電力会社が買い取る仕組み。 用語集で見る
自家消費
発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
SII
国の補助事業の執行を担う一般社団法人。補助対象になる蓄電池の登録製品リストを管理している。 用語集で見る
系統連系
発電設備や蓄電池を電力会社の送電網につなぐこと。つないで初めて売電や買電ができる。 用語集で見る
パワーコンディショナ
太陽光パネルがつくる直流の電気を、家庭で使える交流に変換する機器。補助金の出力判定に使われることがある。 用語集で見る
DR
電力の需要と供給に合わせて、家庭の蓄電池などの充放電を調整する仕組み。国の蓄電池補助の参加条件になっていた。 用語集で見る
家庭用蓄電池
太陽光でつくった電気や夜間の安い電気をためて、必要なときに使う装置。停電時の備えにもなる。 用語集で見る

出典

発行元ページ名確認日
資源エネルギー庁令和7年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2026)PDF版(2026年10月23日 閣議決定・国会報告)2026年10月24日
資源エネルギー庁エネルギー白書2026 第2部第3章 地域と共生した再生可能エネルギーの導入拡大(PDF)2026年10月24日
資源エネルギー庁(電力広域的運営推進機関 掲載)第21回グリッドコード検討会 資料4 分散型電源のサイバーセキュリティ対策の要件化について(2026年3月31日・PDF)2026年10月24日
電力広域的運営推進機関第22回グリッドコード検討会 資料3 第22回検討会の位置づけと資料内容(2026年8月21日・PDF)2026年10月24日
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)2026年10月24日
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)適合ラベルの確認方法(最終更新日 2026年5月13日)2026年10月24日
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)適合ラベル取得製品リスト(最終更新日 2026年10月15日)2026年10月24日
環境共創イニシアチブ(SII)令和8年度 蓄電システム製品登録公募2026年10月24日
環境共創イニシアチブ(SII)令和8年度 蓄電システム製品登録 公募要領(令和8年9月4日改定・PDF)2026年10月24日
環境共創イニシアチブ(SII)令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業 事業概要2026年10月24日
環境共創イニシアチブ(SII)令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領 1.1版(2026年3月26日・PDF)2026年10月24日
東京都・クール・ネット東京令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業 助成金申請の手引き(2026/05/29 ver.1.0・PDF)2026年10月24日