太陽光の名義変更は国と電力会社の2か所
太陽光の名義は、国に出した事業計画と、電力会社との買取の契約の2か所にあります。JPEA代行申請センターは、FITの買取価格で売電するには、電力会社での手続きのほかに国への手続きも必要だと案内しています。
FITで売電している家の太陽光は、国から認定を受けた「事業計画」として登録されています。資源エネルギー庁の整理表では、名義変更などで電力会社との契約の変更が要るときは、国の変更認定通知書の写しか、変更届出の受理日が分かるものを電力会社に出すよう求めています。
つまり、順番は国が先で、電力会社が後です。家の登記を移しただけでは、この2か所の名義は変わりません。
JPEA代行申請センターによると、設備IDは設備の認定通知書に書かれています。前の持ち主が知っている場合もあり、電力会社の検針票や電力需給契約書などに書かれていることもあります。分からないときは、再エネ電子申請のサイトで照会できます。
登録者IDを持っていない人は、再エネ電子申請のサイトで新しく登録します。手続きは基本的にパソコンでの電子申請で、パソコンで申請できない人は、設備IDを伝えて同センターのコールセンターに相談するよう案内されています。事業者IDが分からないときは、再エネ電子申請のシステムで確かめるよう同センターは案内しています。
3つのIDがそろったら、同センターの案内では、事業者IDでログインして設備の認定状態と、登録されている事業者のメールアドレスを確かめます。今は使っていないアドレスや他人のアドレスになっていれば、使えるアドレスに直してから、設備の登録者変更に進みます。
名義を変える理由で手続きが分かれる
売買や生前贈与などで事業を譲り受けたときは変更認定申請、相続や離婚による財産分与のときは事後変更届出です。売買・相続では、引き継いだ人が手続きをします。
整理表の備考には、譲り受けた人が変更を申請・届出する必要があると書かれています。家を売る側ではなく、買った側や相続した側が手続きをする、と覚えておくと迷いません。ただし事業譲渡の書類には双方の印鑑証明書など売る側の書類も含まれるので、売る側にも用意してもらいます。
整理表では、申請の欄の「○」は調達価格/基準価格が変わらないもの、「●」は変わる可能性があるものを表します。売買などの事業譲渡は「○」なので、名義を引き継いでも、買取価格(調達価格)は変わらない区分です。
整理表によると、事後変更届出が必要な項目は、変更認定申請として手続きすることはできません。理由に合った手続きを選ぶところから始めます。
家を買った・譲り受けたときは変更認定申請
再エネ電子申請で設備を選び、書類をPDFなどで付けて申請します。資源エネルギー庁によると、10kW未満の太陽光は申請から認定まで2〜3か月程度かかります。
施工会社などの代行事業者に頼む場合は、設置者からの委任状と印鑑証明書(申請日の3か月前から申請日までに発行された原本に限る)が要ります。資源エネルギー庁は、行政書士または行政書士法人でない者が、報酬を得て官公署に出す書類を作ることは行政書士法違反になると注意しています。
代行事業者が申請すると、入力した内容に問題が無いかを確かめるメールが設置者に届きます。設置者が再エネ電子申請のサイトで「承諾」を押すと審査が始まり、審査が終わるとメールで知らせが届いて、変更認定通知書をダウンロードできるようになります。
家族間の譲渡などで契約書を交わさない場合は、①の代わりに国の様式の「事業譲渡証明書」を付けます。公的機関が発行する書類は、申請日より3か月前から申請日までに発行されたものに限られます。運転開始のあと初めて変更の手続きをする場合は、受給開始日が分かる電力会社発行の書類も付け、運転開始日を入力します(資源エネルギー庁の整理表)。
相続したときは事後変更届出
相続では、亡くなった方の戸除籍謄本、法定相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書、遺産分割協議書などを付けて事後変更届出をします。戸籍の2つは、法務局の法定相続情報で代えられます。
相続を放棄した法定相続人がいる場合は、その人の印鑑証明書の代わりに、裁判所が発行する相続放棄申述受理証明書を出します。亡くなった方の戸除籍謄本だけは、3か月以内の発行という期限の対象外です。
JPEA代行申請センターによると、相続する人が発電設備の所有権を持つことが明らかで、審査が適切に行える場合は、公正証書遺言で審査することもあります。その場合は基本の①②⑤に加えて、公正証書遺言書、相続人の印鑑証明書と相続証明書、遺言をめぐる争いが起きていない旨の誓約書を出します。
法定相続人に未成年者がいる場合は、親権者または未成年後見人が代理人になります。同センターは、親子関係が分かる戸籍謄本や住民票などと、親権者の印鑑証明書を追加で求めています。未成年後見人が選任されている場合は、未成年者の戸籍謄本と未成年後見人選任審判書、未成年後見人の印鑑証明書です。
太陽光パネルが含まれることを書類で示す
パネルは建物附属設備と認められていないため、売買の書類では建物と別に書き、相続の書類では別に書くか、パネルを含む全てを相続の対象と書きます。売買契約書や遺産分割協議書を作る段階で書き入れます。
相続:別に書くか、パネルを含む全てを対象と書く
整理表では、相続のときは建物と別に書くか、太陽光パネルを含む全てを相続の対象とする書き方にして、発電設備が含まれていると分かるようにする必要があるとしています。協議書に具体的な相続資産(パネル)が書かれていない場合は、国の様式の「相続証明書」を付けます。JPEA代行申請センターは、これを相続人全員の同意書として案内しています。

家の売買では、整理表は事業譲渡の際に建物と別に書くことを求めています。家の売買契約書を作るときに、パネルが建物と別に書かれているかを確かめておきます。
買取期間が終わった設備の名義変更
買取期間(調達期間)が終わった設備も、名義を変えるときは国への届出が要ります。JPEA代行申請センターによると、区分は卒FIT事前変更届出か事後変更届出で、書類は事業者の印鑑証明書です。
設備の認定状態は、事業者IDでログインすると確かめられます。卒FIT後の売り先や単価の考え方は、卒FITのあと売電はどうなるかで整理しています。
手続きの前に確かめること
3つのIDがそろうか、名義を変える理由、運転開始のあと初めての変更手続きかの3点を先に確かめます。書類は発行から3か月以内のものをそろえ、国の手続きが済んでから電力会社に出します。
JPEA代行申請センターによると、事業者の変更を伴わない手続きで、事業計画の住所と印鑑証明書の住所が違うときは、先に事後変更届出で住所を変えます。設置場所に「住居表示未確定」と書かれている場合も、住居表示の確定(事前変更届出)を先に済ませるよう案内されています。
資源エネルギー庁の整理表では、申請・届出には申請する事業者の印鑑証明書が要り、代行の場合は代行事業者の印鑑証明書も要ります。GビズIDを使っている場合は、付けなくてよい場合があります。
太陽光の付いた家を買う前なら、売主から設備IDと認定通知書を受け取れるかを確かめておくと安心です。機器の役割は太陽光発電の仕組み、売電の収支は太陽光は何年で元が取れるかで確かめられます。
手続きで分からないことがあるときは、資源エネルギー庁が案内する問い合わせ先に聞けます。50kW未満の太陽光の申請はJPEA代行申請センター(0570-03-8210・平日9:20〜17:20・電話のみ)、FIT・FIP制度全般は国の問い合わせ窓口(0570-057-333・平日9:00〜18:00)です。
よくある質問
- Q. 太陽光の付いた中古住宅を買ったら、名義変更は必要ですか
- 資源エネルギー庁の整理表では、売買などで発電事業を譲り受けた場合、譲り受けた人が変更認定申請をします。JPEA代行申請センターは、FITの買取価格で売電するには、電力会社での手続きのほかに国への手続きも必要だと案内しています。
- Q. 相続のとき、遺産分割協議書に太陽光パネルを書く必要はありますか
- 資源エネルギー庁の整理表では、太陽光パネルは建物附属設備と認められていないため、建物と別に書くか、パネルを含む全てを相続の対象とする書き方にして、相続の対象に発電設備が含まれていると分かるようにする必要があります。協議書に具体的な相続資産(パネル)が書かれていない場合は、国の様式の「相続証明書」を付けます。JPEA代行申請センターは、これを相続人全員の同意書として案内しています。
- Q. 結婚して名字が変わったときも名義変更が要りますか
- 資源エネルギー庁の整理表では、婚姻・離婚などで戸籍上の名字が変わった場合の事業者名の変更は、原則として不要です。変えたい場合は、事後変更届出で届け出ます。
この記事の用語
- kW
- 発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
- FIT
- 太陽光などでつくった電気を、国が決めた価格で一定期間(住宅用は10年)電力会社が買い取る仕組み。 用語集で見る
- 卒FIT
- FITの買取期間(住宅用は10年)が終わること。またその状態の家庭。終わった後は売電単価が大きく下がる。 用語集で見る
- 売電
- 発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る
出典
| 発行元 | ページ名 | 確認日 |
|---|---|---|
| 資源エネルギー庁 | 変更認定申請・変更届出・廃止届|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー | 2026年10月3日 |
| 資源エネルギー庁 | 50kW未満太陽光の変更申請手続の方法|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー | 2026年10月3日 |
| 資源エネルギー庁 | 変更内容ごとの変更手続の整理表(2026年4月1日更新・PDF) | 2026年10月3日 |
| JPEA代行申請センター(JP-AC) | 事業計画変更の申請の流れ | 2026年10月3日 |
| JPEA代行申請センター(JP-AC) | 相続による名義変更の必要書類 | 2026年10月3日 |
| JPEA代行申請センター(JP-AC) | 電子申請に必要な添付資料 | 2026年10月3日 |
