自家消費で減るのは、使った量で決まる項目
電気代の明細は、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の4つです。家で使うほど電力量料金と再エネ賦課金は減り、燃料費調整額は加算の月に減ります(差し引きの月は電気代が下がりにくい)。基本料金は減りません。
東京電力エナジーパートナーの約款では、従量電灯Bの料金は、基本料金と電力量料金と再エネ賦課金の合計です。基本料金と電力量料金の合計が最低月額料金(11月1日からは1契約につき368円64銭)を下回る月は、最低月額料金と再エネ賦課金の合計になります。電力量料金には、燃料の価格に合わせて毎月変わる燃料費調整額が足し引きされます。
太陽光の電気を家で使って電力会社から買う量が減れば、電力量料金と再エネ賦課金は減ります。電力量料金は段階ごとに単価が違い、単価の高い段階の分から減るため、買う量と同じ割合で減るとは限りません。燃料費調整額は、加算の月は減り、差し引きの月は差し引かれる額も小さくなるため、その分電気代は下がりにくくなります。右の基本料金は契約アンペアで決まるため、自家消費を増やしても変わりません(まったく電気を使わなかった月だけは半額。ただし10・15アンペアの契約は、最低月額料金を下回るため最低月額料金)。

明細の使用量は、電力会社から受けた電気の量
約款では、料金を計算する使用電力量は、家の供給地点で30分ごとに量った値の合計です。屋根の太陽光でつくって家の中で使った電気は、この量に入りません。
太陽光発電協会は、日中に太陽光でつくった電気を使うことで電気料金の削減が期待されると説明しています。すでに建っている家に設置した場合は、設置前と設置後の電気料金を比べることを勧めています。
夜や雨の日など、発電が足りない時間は電力会社から買います。明細の使用量は、この買った分だけを数えたものです。

家で使った1kWhは、この3つの単価を掛ける分を払わずに済む1kWhです。ただし平均燃料価格が基準を下回り燃料費調整額が差し引かれる月は、家で使った分は差し引きの対象にもなりません。どの段階の分が減るかは、その月にどれだけ買ったかで変わります。
11月1日から、基本料金が上がり単価はほぼ据え置き
東京電力エナジーパートナーは、託送料金(送配電網の利用料)の見直しに合わせて、11月1日から従量電灯Bの料金を変えます。基本料金は上がり、電力量料金は1kWhあたり5銭の上げです。
経済産業省は9月29日、東京電力エナジーパートナーを含むみなし小売電気事業者9社から、特定小売供給約款の変更届出を受けたと発表しました。同社の届出書は、変更の理由を一般送配電事業者の託送料金の見直しに伴うものとしています。

使った量で決まる単価がほとんど動かず、基本料金が上がるのが今回の改定の形です。このため、自家消費で減らせる部分の単価はほぼ変わらず、減らせない基本料金の方が重くなります。
託送料金の改定は、経済産業省が9月4日に承認した一般送配電事業者8社の収入の見通しをもとにしています。東京電力エナジーパートナーの届出書は、従量電灯Bなどの変更を、この託送料金の見直しを料金率に反映するためのものとしています。
再エネ賦課金と燃料費調整額は、使用量に単価を掛ける
再エネ賦課金の2026年度の単価は1kWhあたり4.18円です。燃料費調整額は毎月の単価で増減し、7〜9月使用分は国の支援で単価が下がっていましたが、6月に発表されたこの支援の対象は9月使用分までです。
再エネ賦課金の単価は、再エネ特措法にもとづいて経済産業大臣が毎年度、年度の始まる前に決めます。2026年度の単価の根拠として、同省は再エネの電気の買取費用等や販売電力量の見込みを示しています。
約款では、賦課金も燃料費調整額も、その月の使用電力量に単価を掛けて計算します。家で使った太陽光の電気はこの使用量に入らないため、その分の賦課金と燃料費調整額は計算に入りません。燃料費調整額が差し引きになる月は、その分の差し引きも受けられません。
支援の値引きがなくなると、1kWhあたりの燃料費調整単価がその分だけ高く見えます。値引きのない月とある月を比べると、太陽光の効果を正しく読めないため、比べる月の条件をそろえます。
明細で確かめる5つのこと
自家消費の効果は、明細の使用量(kWh)で見るのがいちばん確かです。金額は基本料金の改定や燃料費調整単価、支援の有無で動くため、量と単価を分けて読みます。
11月検針分(10月使用分)は、6月に発表された支援の対象に入っていません。改定後の基本料金がどの検針分から入るかは、契約先の明細や案内で確かめます。金額だけで去年と比べず、使用量のkWhを並べて見ると、自家消費でどれだけ買う電気が減ったかが分かります。
自由料金のプランや、ほかの小売電気事業者と契約している家は、単価も改定の有無も契約先の案内で確かめます。家で使う電気と売る電気の1kWhあたりの価値の比べ方は太陽光は蓄電池なしでもいいかの記事、ためて夜に使う量の考え方は蓄電池の容量の記事で扱っています。お住まいの都県の補助は補助金の一覧から探せます。
よくある質問
- Q. 太陽光の電気を家で使うと、再エネ賦課金も減りますか
- 減ります。東京電力エナジーパートナーの約款では、再エネ賦課金はその月の使用電力量に単価を掛けて計算します(2026年度の単価は、経済産業省の発表で1kWhあたり4.18円)。使用電力量は家の供給地点で量った電力会社からの電気なので、太陽光でつくって家で使った分は掛かりません。
- Q. 11月の料金改定で、電気代はどれくらい上がりますか
- 東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、基本料金が30アンペアで935円25銭から1,176円18銭、40アンペアで1,247円00銭から1,568円24銭に上がります。電力量料金は1kWhあたり5銭の上げです。上がる額は契約アンペアと使用量で変わり、自由料金のプランは契約先の案内で確かめてください。
- Q. 電気・ガス料金の支援は、10月使用分も続きますか
- 経済産業省が6月に発表した支援は、7月・8月・9月使用分(8月〜10月検針分)が対象でした。同省の10月のニュースリリース一覧には、10月21日掲載分まで、10月使用分からの支援の発表はありません。11月検針分(10月使用分)は、6月に発表された支援の対象に入っていません。
この記事の用語
- kW
- 発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
- kWh
- 電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
- 自家消費
- 発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
- 売電
- 発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る
出典
| 発行元 | ページ名 | 確認日 |
|---|---|---|
| 経済産業省 | みなし小売電気事業者9社から特定小売供給約款の変更届出を受理しました(2026年9月29日) | 2026年10月22日 |
| 東京電力エナジーパートナー株式会社(経済産業省 掲載) | 特定小売供給約款変更届出書(令和8年9月29日・令和8年11月1日実施・PDF) | 2026年10月22日 |
| 東京電力エナジーパートナー株式会社(経済産業省 掲載) | 消費税等相当額並びにその額に係る表示及び請求の方法に関する説明書(令和8年9月29日・PDF) | 2026年10月22日 |
| 経済産業省 | 一般送配電事業者8社から託送供給等約款の変更届出を受理しました(2026年9月11日) | 2026年10月22日 |
| 東京電力パワーグリッド株式会社(経済産業省 掲載) | 託送供給等約款変更届出書(令和8年9月11日・令和8年11月1日実施・PDF) | 2026年10月22日 |
| 経済産業省 | 一般送配電事業者8社の託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請を承認しました(2026年9月4日) | 2026年10月22日 |
| 経済産業省 | 再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します(2026年3月19日) | 2026年10月22日 |
| 経済産業省 | 2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました(2026年6月12日) | 2026年10月22日 |
| 経済産業省 | ニュースリリース 2026年度 10月一覧 | 2026年10月22日 |
| 一般社団法人太陽光発電協会 | 住宅用太陽光発電システムのメリット | 2026年10月22日 |
| 一般社団法人太陽光発電協会 | 住宅用太陽光発電システムとは | 2026年10月22日 |
