太陽光の自家消費で減る電気代 明細の4項目と11月の料金改定

自家消費で減るのは電力量料金と再エネ賦課金、加算の月の燃料費調整額です(差し引きの月は電気代が下がりにくい)。基本料金は減らず、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは11月に上がります。

昼の食卓で2枚の電気料金明細のイメージを並べて見比べる手元
電気料金の明細を見比べるイメージ。書類の文字・数字は省略しています。※画像はイメージです。
目次
  1. 自家消費で減るのは、使った量で決まる項目
  2. 明細の使用量は、電力会社から受けた電気の量
  3. 11月1日から、基本料金が上がり単価はほぼ据え置き
  4. 再エネ賦課金と燃料費調整額は、使用量に単価を掛ける
  5. 明細で確かめる5つのこと

自家消費で減るのは、使った量で決まる項目

電気代の明細は、基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の4つです。家で使うほど電力量料金と再エネ賦課金は減り、燃料費調整額は加算の月に減ります(差し引きの月は電気代が下がりにくい)。基本料金は減りません。

図1 電気代の明細の4項目(従量電灯Bの場合)
使った量で決まる
電力量料金使用量×段階ごとの単価
燃料費調整額使用量×燃料費調整単価
再エネ賦課金使用量×賦課金単価
使った量で決まらない
基本料金契約アンペアで決まる
まったく使わない月基本料金は半額
東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款」(令和8年11月1日実施)の従量電灯Bの料金の定めを編集部が2列に分けた。燃料費調整額は、平均燃料価格が基準の86,100円を上回る月は電力量料金に加え、下回る月は差し引く。まったく使わない月の半額の基本料金も、最低月額料金を下回る場合(10・15アンペアの契約)は最低月額料金になる。

東京電力エナジーパートナーの約款では、従量電灯Bの料金は、基本料金と電力量料金と再エネ賦課金の合計です。基本料金と電力量料金の合計が最低月額料金(11月1日からは1契約につき368円64銭)を下回る月は、最低月額料金と再エネ賦課金の合計になります。電力量料金には、燃料の価格に合わせて毎月変わる燃料費調整額が足し引きされます。

太陽光の電気を家で使って電力会社から買う量が減れば、電力量料金と再エネ賦課金は減ります。電力量料金は段階ごとに単価が違い、単価の高い段階の分から減るため、買う量と同じ割合で減るとは限りません。燃料費調整額は、加算の月は減り、差し引きの月は差し引かれる額も小さくなるため、その分電気代は下がりにくくなります。右の基本料金は契約アンペアで決まるため、自家消費を増やしても変わりません(まったく電気を使わなかった月だけは半額。ただし10・15アンペアの契約は、最低月額料金を下回るため最低月額料金)。

昼の自然光が入る洗濯室で洗濯機を使う暮らしのイメージ
日中に洗濯機などの家電を使う暮らしのイメージ。※画像はイメージです。

明細の使用量は、電力会社から受けた電気の量

約款では、料金を計算する使用電力量は、家の供給地点で30分ごとに量った値の合計です。屋根の太陽光でつくって家の中で使った電気は、この量に入りません。

図2 太陽光の電気の行き先と、明細に出る量
1発電する屋根のパネルで昼につくる
2家で使う明細の使用量に入らない
3余りを売る売った量は電力量計で量る
4足りない分を買うこの量が明細の使用量になる
太陽光発電協会「住宅用太陽光発電システムとは」(電力量計は電力会社に売った電力や買った電力を量るメーター)と、東京電力エナジーパートナーの約款の「使用電力量の算定」をもとに編集部が並べた。

太陽光発電協会は、日中に太陽光でつくった電気を使うことで電気料金の削減が期待されると説明しています。すでに建っている家に設置した場合は、設置前と設置後の電気料金を比べることを勧めています。

夜や雨の日など、発電が足りない時間は電力会社から買います。明細の使用量は、この買った分だけを数えたものです。

住宅の太陽光パネルでつくった電気を家で使い、余った分が電力量計を経て電線へ向かう模式図
橙(オレンジ)はパネルから機器へ、緑は家で使う方向、青は余った電気が電力量計を通って電線へ向かう方向です。線は電気の流れを示す模式表現です。※画像はイメージです。
図3 電力会社から1kWh買うたびに掛かる単価(11月1日から・従量電灯B)
電力量料金
使用量の段階で変わる
29.85〜40.54円
+
再エネ賦課金
2026年度の単価
4.18円
+
燃料費調整単価
月ごとに変わる
毎月確認
電力量料金は東京電力エナジーパートナーの届出書(令和8年11月1日実施)、再エネ賦課金は経済産業省の2026年3月19日の発表による。電力量料金は消費税等相当額を含む。燃料費調整額は、平均燃料価格が基準を下回る月は差し引かれる。

家で使った1kWhは、この3つの単価を掛ける分を払わずに済む1kWhです。ただし平均燃料価格が基準を下回り燃料費調整額が差し引かれる月は、家で使った分は差し引きの対象にもなりません。どの段階の分が減るかは、その月にどれだけ買ったかで変わります。

11月1日から、基本料金が上がり単価はほぼ据え置き

東京電力エナジーパートナーは、託送料金(送配電網の利用料)の見直しに合わせて、11月1日から従量電灯Bの料金を変えます。基本料金は上がり、電力量料金は1kWhあたり5銭の上げです。

図4 従量電灯Bの基本料金(1か月)
10月31日まで
30アンペア935円25銭
40アンペア1,247円00銭
50アンペア1,558円75銭
60アンペア1,870円50銭
11月1日から
30アンペア1,176円18銭
40アンペア1,568円24銭
50アンペア1,960円30銭
60アンペア2,352円36銭
東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款変更届出書」(令和8年9月29日)の新旧比較表による。消費税等相当額を含む。10〜20アンペアの契約も上がる。

経済産業省は9月29日、東京電力エナジーパートナーを含むみなし小売電気事業者9社から、特定小売供給約款の変更届出を受けたと発表しました。同社の届出書は、変更の理由を一般送配電事業者の託送料金の見直しに伴うものとしています。

図5 従量電灯Bの電力量料金(1kWhあたり)
10月31日まで
120kWhまで29円80銭
120〜300kWh36円40銭
300kWhを超える分40円49銭
11月1日から
120kWhまで29円85銭
120〜300kWh36円45銭
300kWhを超える分40円54銭
同じ届出書の新旧比較表による。消費税等相当額を含む。燃料費調整額と再エネ賦課金は含まない。
夕日を反射する屋根上の太陽光パネルの表面
夕日を受ける住宅の屋根の太陽光パネル。実際の設置例。

使った量で決まる単価がほとんど動かず、基本料金が上がるのが今回の改定の形です。このため、自家消費で減らせる部分の単価はほぼ変わらず、減らせない基本料金の方が重くなります。

図6 託送料金も基本料金が上がる(東京電力パワーグリッド・電灯標準接続送電サービス)
10月31日まで
基本料金(契約電力1kWにつき)230円67銭
電力量料金(1kWhにつき)6円97銭
11月1日から
基本料金(契約電力1kWにつき)351円08銭
電力量料金(1kWhにつき)6円97銭
東京電力パワーグリッド「託送供給等約款変更届出書」(令和8年9月11日・令和8年11月1日実施)の新旧比較表による。託送料金は、小売電気事業者が一般送配電事業者に払う料金。契約電流(アンペア)や契約容量で定める場合の基本料金は、契約容量1キロボルトアンペアにつき152円24銭から231円72銭に上がる(契約電流の場合は10アンペアを1キロボルトアンペアとみなす。5・15アンペアは別の額)。

託送料金の改定は、経済産業省が9月4日に承認した一般送配電事業者8社の収入の見通しをもとにしています。東京電力エナジーパートナーの届出書は、従量電灯Bなどの変更を、この託送料金の見直しを料金率に反映するためのものとしています。

再エネ賦課金と燃料費調整額は、使用量に単価を掛ける

再エネ賦課金の2026年度の単価は1kWhあたり4.18円です。燃料費調整額は毎月の単価で増減し、7〜9月使用分は国の支援で単価が下がっていましたが、6月に発表されたこの支援の対象は9月使用分までです。

図7 再エネ賦課金の国の目安(1か月400kWhの家)
1か月の使用量
国が置いた家庭のモデル
400kWh
×
賦課金単価
2026年度
4.18円
=
1か月の負担
年額は20,064円
1,672円
経済産業省の2026年3月19日の発表による。400kWhは総務省の家計調査にもとづく一般的な世帯の1か月の使用量。2026年度の単価は、2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金に使われる。

再エネ賦課金の単価は、再エネ特措法にもとづいて経済産業大臣が毎年度、年度の始まる前に決めます。2026年度の単価の根拠として、同省は再エネの電気の買取費用等や販売電力量の見込みを示しています。

約款では、賦課金も燃料費調整額も、その月の使用電力量に単価を掛けて計算します。家で使った太陽光の電気はこの使用量に入らないため、その分の賦課金と燃料費調整額は計算に入りません。燃料費調整額が差し引きになる月は、その分の差し引きも受けられません。

図8 国の電気料金支援と11月の改定(低圧の電気)
8月検針
7月使用分
1kWhあたり3.5円の値引き
9月検針
8月使用分
1kWhあたり4.5円の値引き
10月検針
9月使用分
1kWhあたり3.5円の値引き
11/1
料金の改定
基本料金が上がる(従量電灯B)
値引きは燃料費調整単価から差し引く形で行われた。経済産業省の2026年6月12日の発表による。10月使用分からの支援は、同省の10月のニュースリリース一覧で10月21日掲載分まで発表がない。

支援の値引きがなくなると、1kWhあたりの燃料費調整単価がその分だけ高く見えます。値引きのない月とある月を比べると、太陽光の効果を正しく読めないため、比べる月の条件をそろえます。

明細で確かめる5つのこと

自家消費の効果は、明細の使用量(kWh)で見るのがいちばん確かです。金額は基本料金の改定や燃料費調整単価、支援の有無で動くため、量と単価を分けて読みます。

図9 自家消費の効果を明細で確かめる手順
1使用量買ったkWhが減ったかを見る
2契約アンペア基本料金は自家消費で変わらない
3燃料費調整単価月ごとの単価と支援の有無
4再エネ賦課金5月検針分から単価が変わる
5同じ月で比べる設置前と設置後の同じ季節
東京電力エナジーパートナーの約款、経済産業省の発表、太陽光発電協会の、すでに建っている家に設置した場合は設置前と設置後の電気料金を比べるという勧めをもとに編集部が5つにまとめた。

11月検針分(10月使用分)は、6月に発表された支援の対象に入っていません。改定後の基本料金がどの検針分から入るかは、契約先の明細や案内で確かめます。金額だけで去年と比べず、使用量のkWhを並べて見ると、自家消費でどれだけ買う電気が減ったかが分かります。

自由料金のプランや、ほかの小売電気事業者と契約している家は、単価も改定の有無も契約先の案内で確かめます。家で使う電気と売る電気の1kWhあたりの価値の比べ方は太陽光は蓄電池なしでもいいかの記事、ためて夜に使う量の考え方は蓄電池の容量の記事で扱っています。お住まいの都県の補助は補助金の一覧から探せます。

数字についての注記
※電気料金の単価は、東京電力エナジーパートナーの特定小売供給約款(従量電灯B)の届出書の値で、消費税等相当額を含みます。自由料金のプランや、ほかの小売電気事業者の単価は、それぞれの契約で確かめてください。
※燃料費調整単価は毎月変わります。この記事では月ごとの値を載せていません。
※この記事では、自家消費でいくら減るかの試算はしていません。減る額は、家で使った電気の量と契約の単価で変わります。

よくある質問

Q. 太陽光の電気を家で使うと、再エネ賦課金も減りますか
減ります。東京電力エナジーパートナーの約款では、再エネ賦課金はその月の使用電力量に単価を掛けて計算します(2026年度の単価は、経済産業省の発表で1kWhあたり4.18円)。使用電力量は家の供給地点で量った電力会社からの電気なので、太陽光でつくって家で使った分は掛かりません。
Q. 11月の料金改定で、電気代はどれくらい上がりますか
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、基本料金が30アンペアで935円25銭から1,176円18銭、40アンペアで1,247円00銭から1,568円24銭に上がります。電力量料金は1kWhあたり5銭の上げです。上がる額は契約アンペアと使用量で変わり、自由料金のプランは契約先の案内で確かめてください。
Q. 電気・ガス料金の支援は、10月使用分も続きますか
経済産業省が6月に発表した支援は、7月・8月・9月使用分(8月〜10月検針分)が対象でした。同省の10月のニュースリリース一覧には、10月21日掲載分まで、10月使用分からの支援の発表はありません。11月検針分(10月使用分)は、6月に発表された支援の対象に入っていません。

この記事の用語

kW
発電設備の出力の大きさを表す単位。「4kWの太陽光」はこの値。パネル1枚は0.4〜0.5kW程度で、戸建てでは3〜6kWが多い。 用語集で見る
kWh
電気の量を表す単位。蓄電池の容量(何kWhためられるか)や、1か月に使った電力量に使う。1kWの機器を1時間動かすと1kWh。 用語集で見る
自家消費
発電した電気を売らずに自宅で使うこと。買う電気を減らせるので、売電単価より買電単価が高い今は有利になりやすい。 用語集で見る
売電
発電した電気を電力会社などに売ること。単価は制度と時期で決まる。 用語集で見る

出典

発行元ページ名確認日
経済産業省みなし小売電気事業者9社から特定小売供給約款の変更届出を受理しました(2026年9月29日)2026年10月22日
東京電力エナジーパートナー株式会社(経済産業省 掲載)特定小売供給約款変更届出書(令和8年9月29日・令和8年11月1日実施・PDF)2026年10月22日
東京電力エナジーパートナー株式会社(経済産業省 掲載)消費税等相当額並びにその額に係る表示及び請求の方法に関する説明書(令和8年9月29日・PDF)2026年10月22日
経済産業省一般送配電事業者8社から託送供給等約款の変更届出を受理しました(2026年9月11日)2026年10月22日
東京電力パワーグリッド株式会社(経済産業省 掲載)託送供給等約款変更届出書(令和8年9月11日・令和8年11月1日実施・PDF)2026年10月22日
経済産業省一般送配電事業者8社の託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請を承認しました(2026年9月4日)2026年10月22日
経済産業省再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します(2026年3月19日)2026年10月22日
経済産業省2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました(2026年6月12日)2026年10月22日
経済産業省ニュースリリース 2026年度 10月一覧2026年10月22日
一般社団法人太陽光発電協会住宅用太陽光発電システムのメリット2026年10月22日
一般社団法人太陽光発電協会住宅用太陽光発電システムとは2026年10月22日